上原千奈さん(人間科学部人間科学科 2020年度卒)
<勤務先>株式会社ニトリパブリック
ニトリグループ各社の広告活動を担当
広告を通して生活の豊かさを広げる仕事
ニトリパブリックの仕事は大きく括ると、ニトリグループの広告を作るか、ニトリグループ以外の企業に広告や商品開発でサービス提供を行うかに分けられます。私はニトリの広告を作る業務の中で、現在はテレビCM制作に携わっています。具体的には、進行管理や代理店とのやりとりなどです。就職活動のスタート時に自己分析をしたことで、この業種に目を向けるようになりました。「家」が好きだったので、生活に携われる業務がいいなと思ったのですが、接客業ではなくBtoBで企業を相手に信頼関係を築ける業種の方が自分には合っていると思いました。ニトリは店舗配属メインなのでちょっと違うなと感じたのですが、ニトリパブリックというグループ会社があると知り、「広告を通して生活の豊かさを広げる仕事」というのが、自分がやりたいことと一致していていいなと思ったのです。ですが、ニトリパブリックの中でどこに配属されるかは入社してから決まるので、広告に携われたのはラッキーだったと思います。就活中は、少しでも広告に携われる確率があるなら挑戦したいという気持ちで活動していました。
就活の第1歩は自己分析
本格的に就活をスタートさせてから、最初に取り組んだのは自己分析です。キャリアセンターでも行えますし、インターネットを活用して自分でやることもできますが、絶対に必要なことだと思います。実際に就職してみると、今の仕事が「やりたいこととは違っていた」という人が多いことに気づきました。やりたくてもできなかったという場合もあると思いますが、自分が何をしたいのか深く考えずに、業種も揃えずに就活をした結果だったという人もいるようです。ですから、大まかであっても業種を決めて活動できるように、就活の第1歩として自己分析から取りかかることが大切だと思います。
2年生で参加したインターンシップ
就活を意識したのは、大学2年生の夏頃です。大手飲食チェーン店で楽しそうな仕事体験ができるプログラムがあったので、インターンシップに申し込みました。飲食業界で働きたいと思っていたわけではないのですが、まずは行ってみることが大切だと考えたのです。全く何もわからない状態だったので、参加しながら社会人としてのマナーも初めて学びました。例えば、部屋に入るときに挨拶をするという概念もなかったので、それを指摘していただけたことが、本格的に就活を始めたときに役立ったのです。就活を早くスタートさせ、インターンシップに参加した経験があったので、3年生になってから周りの人たちがソワソワし始めた頃にも余裕を持って進められました。
採用試験報告書から得る「生の声」
3年生の夏から本格的に、インターンシップや説明会に参加しました。最初のうちは、やりたいことと働きやすさの観点で分けて、業種はあまり絞り切らずに進めました。やりたいこととしては「家」に関連した企業、働きやすさや待遇面では半導体を扱う企業などが候補にあがりました。キャリアセンターで閲覧できる卒業生たちの採用試験報告書もとても役立ちました。実際に活動した「生の声」が書かれた資料なので、グループ面接か個人面接かなど、各企業に応じて必要な対策をして当日に備えることができたのです。エントリーシートを自分で書ける人でも、客観的な意見を聞くことも必要だと思います。自分が書いたものから何が伝わったかを確認し、自分が伝えたいことと違っていたら修正するために、キャリアセンターを活用しました。
大学が紹介する企業への安心感
ゼミの先生から、「大企業だけを見るのではなく、中小企業にも目を向けなさい」と言われたことが印象に残っています。全企業のうち大企業はわずかしかないので、とても倍率が高いです。中小企業にも福利厚生が充実しているよい企業がたくさんあるので、有名かどうかだけで判断しないことが大切だと教えていただきました。とはいえ、中小企業はたくさんあるので自分だけで選ぶのは難しいと思います。東洋英和は、学内で合同説明会を開催したり、キャリアセンターが紹介してくれるなど、大学が優良企業を絞り込んでくれるので選びやすかったです。卒業生が働く環境なども知った上で紹介してくれるので、学生側も安心感があります。卒業後に、採用担当者と一緒に学内の合同説明会に参加し、学生の前で仕事内容などを話したこともあります。キャリアセンターから人事部に「できれば卒業生も一緒に説明会に来てほしい」という依頼があったようで、キャリアセンターからも企業に働きかけていることが卒業してから分かりました。
一緒に働きたいと思える学生との出会い
就活は、複数の企業を実際に訪れてみて、現場で「感じる」ことが大切だと思いました。社員の雰囲気だけでなく、就活で来ている学生の雰囲気も重要です。企業によって、来ている学生の雰囲気が全然違います。インターンシップのグループディスカッションやグループ面接で、独走している人がいたり、進行の仕方が合わないと感じる人がいたので、一緒に働くことを想像しながら企業を選ぶようになりました。そして、「同期になるならこの人たちがいい」と感じられた企業が、自分に合っていると思うようになったのです。ニトリパブリックの「広告を作ろう」というインターンシップに参加した際、社員だけでなく、参加した学生もとても素敵で、このような人が目指す会社ならきっといい会社なんだろうと感じました。そのとき素敵だなと思った人は、今、同期として一緒に働いています。相手は私のことを覚えていませんでしたが(笑)、同期になれて嬉しかったです。同期にも恵まれてよい環境で働けているので、やはり実際に行ってみて「人を見る」ことが大切だと思います。
就活や就職後に生かされた授業
大学の授業では、全学共通科目の「基礎情報科学」でタイピングのスキルを上げることができました。時間内に指定の文字数を入力するという練習をしていたことが、仕事でも役立っています。ゼミでExcelを使うことが多かったのですが、今の職場はWordやPowerPointはあまり使わず、Excelがメインなので、1歩進んだ状態から仕事を始めることができました。基本スキルができていると、新入社員として仕事を始めてからも少し余裕を持って取り組めると思います。ゼミの先生からMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)の資格も取っておくとよいというアドバイスがあり、学習サポートセンターで申し込んで取得しました。
高校生へのメッセージ
受験する大学は、やはり学びたいことを前提に選んだ方がいいと思います。なんとなくとか、有名だからという理由で選ばずに、興味を持てる授業があるかをしっかりと調べてほしいです。私の場合、心理学に興味があったのですが、心理学に特化した仕事をしたいわけではありませんでした。東洋英和の人間科学科は、社会学・宗教学・教育学・心理学を学ぶことができ、1つの分野に特化しすぎないところがよかったです。もう1点、東洋英和は就職率が高かったこともポイントでした。英和生は人柄のいい人が多いので、会社に入れば高評価が得られると思いますが、その魅力を知ってもらうまでの壁は厚いと感じます。例えば、SPIで不合格となれば面接に進めませんし、大企業ばかり目指すと書類選考がなかなか通らないかもしれません。そこを突破するためのサポートを、キャリアセンターが手厚くしてくれています。学生のよさを企業に知ってもらう機会が得られるように、キャリアセンターが間に入って厚い壁を取り除いてくれているイメージです。一人ひとりに寄り添ったサポートがあるから実現できる、就職率の高さだと思います。
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