今回紹介する研究室は、ロボットと人との自然なコミュニケーションを目指し、対話の分析などを行っている、工学院大学「ヒューマンインタラクション研究室」。AIと共存する未来に向けて、小型の対話ロボットを使った研究に取り組んでいます。
どんな研究をしている? 「ヒューマンインタラクション研究室」
動画で研究紹介(4分50秒)
より便利な『AI』の活用を目指して対話を分析
ヒューマンインタラクション研究室では、どうしたら対話ロボットがよりスムーズに、より自然にコミュニケーションができるようになるかを研究しています。そのベースとなるのが、人と人、あるいは人と対話ロボットとの間で行われているコミュニケーションの分析です。
実際に小型の対話ロボットを使って、複数のロボットと人間の間で行われる対話から、どのような対話が人間にとって話しやすく、長く続けられるのかなどを研究しています。
2011年からは、東大合格レベルの能力を持つAIの開発を目指してスタートしたプロジェクト、「ロボットは東大に入れるか。」に参加。大和先生は、文字と画像の両方を理解しなければ解けない英語のイラスト問題を担当しています。このような研究を進めていくことで、人間が使い方を覚えるのではなく、ロボットの側が状況を読み取って、様々なサービスを提供できるようになることが期待されています。
学生が語る研究室の魅力
「今研究しているテーマは、『人と対戦する人狼エージェントの開発』です。人狼ゲームは、AIにプレイさせることが難しいと言われています。人が発する嘘や真実を見抜いてプレイする必要があるだけでなく、情報のやりとりが言葉で行われているためです。
解析が難しい分野ですが、予想に反した結果が現れた時は『なぜ?』と思うと同時にワクワクもします。この『なぜ?』について考えている時間が、研究の楽しいところです」(修士2年)
「画像処理と機械学習を組み合わせた研究がしたかったので、この研究室を選びました。
自分の手で実際に画像を処理した結果が、すぐ目に見えることが楽しいです。自分の目で見て簡単に実現できそうな処理でも、意外と実現困難だったりすることが、画像処理の難しい点でもあり、面白い点でもあると思います」(修士2年)
先生紹介(工学院大学 大和先生)
大和先生は、どんな先生?
「もともと天体写真の画像処理が趣味でもあり、日食の撮影ではインドネシアやハワイ、硫黄島近海など、あちこちに出かけました。最近読んでいる本は、娘に教えてもらった『天久鷹央の推理カルテ』シリーズです」(大和先生)
「研究室へ行けば、技術の話で盛り上がらない日はありません。先生は工作が好きなので、研究に関係なくても、『このようなものを作りたいです』と言えば、喜んで相談に乗ってくれると思います」(修士2年)
大和先生から高校生へメッセージ
「私が30年以上前に大学院でロボットの研究を始めたきっかけは、自分が楽(らく)をしたいからです。『楽をするためには努力を惜しまない人』は、ロボットや人工知能の研究に向いているかもしれません。個人でもどんどんチャレンジできますし、大学も無限の可能性に向けての道案内役として有効に使えます。興味のある人は、ぜひ仲間と一緒にチャレンジしましょう」
卒業後の進路
・2~3割が大学院へ進学
・就職先は、IT系、電機系、企画など
「大手企業の研究職や開発職など、日本の第一線で活躍している先輩が多いです。そのような先輩方を目標に、研究に取り組んでいます」(修士2年)
研究室情報
大学名 | 工学院大学 |
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学部・学科 | 情報学部 システム数理学科 |
研究室 | ヒューマンインタラクション研究室 |
教員名 | 大和 淳司 教授 |
研究キーワード | ヒューマンロボットインタラクション、対話分析、人工知能、画像認識、機械学習、東ロボ |
URL | https://www.kogakuin.ac.jp/faculty/lab/info_lab165.html |