膜を使って、水処理を行う研究を推進している。非常に小さな穴が空いた膜に汚れた水を通すことによって、きれいな水を得るのがその原理だ。このとき、膜が汚れ(ファウリング現象という)、水が通らなくなってしまうことが多い。赤松研究室で研究しているのは「汚れが付着しない膜作り」だ。
「ファウリング現象は、膜表面に存在する水分子と密接な関係があると考えています。ある特徴をもつ水分子を膜表面に存在させることが可能な素材で膜を作製すれば、汚れがつかないと考えており、このような膜開発を行っています。とてもチャレンジングな課題ですが、これまで多くの学生が一生懸命研究してきてくれたおかげで、有望な膜ができつつあります」
赤松教授が水処理に関心をもったのは、高校時代に松山市(愛媛県)で経験した水不足がきっかけだった。「20時間の断水が2か月間続き、蛇口をひねれば水が出る生活がいかに尊いか、身をもって知りました。世界には今も、きれいな水にアクセスできない地域がたくさんあります。膜の技術できれいな水を供給し、世界の人々に少しでも貢献したいと考えています」
「学生たちにも、環境問題に目を向けてほしいですね。そして、研究室の学びを通じて自分の頭で考える力を鍛えていきたい」と話す。「社会に出たら、覚えた知識をアウトプットするだけでは通用しません。目の前の課題をどのようにして解決するか、ロジカルに考え答えを見つけ出す。このような力を身につけて、社会で活躍してほしいと思っています」
研究室の紹介動画
基本情報
大学名 | 工学院大学 |
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学部名 | 先進工学部 |
学科名 | 環境化学科 |
教員名 | 赤松 憲樹 |
フリガナ | アカマツ カズキ |
URL | http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwb1051/index.html |
研究情報
主催ゼミ | 環境化学・膜技術 |
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研究キーワード | 水処理・低ファウリング膜・ガス分離用シリカ膜・水素製造膜反応器・膜乳化法・機能性微粒子 |
最近の研究・論文 |
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実績等 | 著書『ファウリングの原因と対策・抑制技術』4.2.分担執筆,S&T出版,(2016) |