大学受験の基礎知識

大学受験に役立つ 【高校生向けコンテスト】をチェック! 学校推薦型選抜、総合型選抜にも

高校生を対象としたコンテストや競技会が多数開催されており、企業や大学が主催のものも多くあります。理系の競技大会やスピーチコンテスト、起業のプレゼンテーションなど種類もさまざま。自分の得意分野が活されるようなコンテストを見つけて、チャレンジしてみましょう。今回は高校生が参加でき、大学の入試にも役立ちそうなコンテストをご紹介します。

大学入試でアピールポイントに!

大学入試のうち「学校推薦型選抜」「総合型選抜」では、書類審査や面接が行われます。その際、部活動や課外活動、ボランティア活動などの実績も評価されますが、コンテストへの参加もアピールポイントになります。たとえ入賞に至らなくても、チャレンジしたという意欲が評価されるので、得意分野のコンテストがあれば積極的に参加するのをお勧めします。

理数系が得意な人向けのコンテスト

コンピュータ技術や数学などが得意な人に向いているコンテストを紹介します。

picoCTF(情報セキュリティーコンテスト)

米カーネギーメロン大学が開催する中高生向けの情報セキュリティーコンテスト。CTFはCapture The Flagの略で、いわゆる旗取りゲームのことです。情報セキュリティー分野では、クイズ感覚で楽しみながら情報セキュリティが学べるということで、国内外でさまざまなCTF大会が開催されています。大会では、与えられた課題の中にある答え(旗)を、情報セキュリティーの技術を使いながら制限時間内に見つけて、得点を競います。出題分野は、暗号化技術や脆弱性検査、プログラミングなど幅広く出題されます。picoCTFは、比較的やさしい問題から出題されるので、CTF初心者もチャレンジしやすい大会です。

また、picoCTFで優秀な成績をおさめた日本の中高生を表彰するCognitiveHack JapanというCTF大会も開催されています。

picoCTF
https://picoctf.org/

CognitiveHack Japan
https://cognitivehack-jp.cognitivectf.com/

日本数学オリンピック (JMO)

数学の問題を解く能力を競う大会です。高校生を対象として、毎年開催されています。7月に行われる国際数学オリンピック(IMO)に参加する高校生6名を選抜するため、日本数学オリンピック(JMO)が行われます。

2020年に開催された第61回国際数学オリンピックロシア大会は、新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催となり、105カ国から616人が参加しました。日本の成績は銀メダル5個、銅メダル1個と、出場者が全員メダルを獲得しました。

数学オリンピック財団
https://www.imojp.org/

<第55回数学オリンピックメダリストへのインタビュー>

プログラミングが得意な人向けのコンテスト

ソフトウェアやアプリ、ゲームなどのプログラミングが得意な人に向いているコンテストを紹介します。

アプリ甲子園

中高生を対象としたスマートフォンアプリ開発コンテストです。2011年からスタートしました。iOS用アプリとAndroid用アプリ、そしてウェブブラウザー上で動作するウェブサービスが選考対象です。、ユーザーの使いやすさやデザイン性、実装力・技術チャレンジ、消費者支持度、独創性・新規性の4項目が審査基準。決勝大会では4分間のプレゼンテーションと質疑応答から企画力が審査され、ソースコード(プログラミング言語を用いて記述したアプリの設計図)から技術力が審査されます。企画力と技術力の総合得点から、最優秀作品が決定します。

アプリ甲子園
https://www.applikoshien.jp/

<アプリ甲子園2020 ダイジェスト>

Unity ユースクリエイターカップ

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンが主催の、高校生を対象としたゲーム開発の全国大会です。2014年からスタートしました。ゲーム開発にはUnityの使用が必須となっています。Unityとは、3D/2D、VR/ARなどのゲーム開発によく使われる機能を1つにまとめたゲームエンジンです。審査対象は、Windowsパソコンまたはスマートフォン単体でプレイでき、1人プレイ対応の作品です。一次審査と二次審査で最大12作品に絞られ、その中から優勝作品が選ばれます。

unity
https://unity.com/ja

Unity ユースクリエイターカップ
https://uycc.unity3d.jp/

起業や未来の仕事のアイデアを持っている人向けのコンテスト

起業を考えている人、未来の新しい仕事のアイデアを持っていてそれをアピールしたい人に向いているコンテストを紹介します。

リアビズ 高校生模擬企業グランプリ

高校生が自分たちで売るオリジナル商品を考え、実際にネットショップを立ち上げて販売する起業体験プログラムです。同じ学校の生徒と模擬企業を作り、ネットショップで販売する商品を考えて、予算などのビジネスプランを作成します。プロによる審査で選ばれると、上限30万円までの開業資金が融資され、それをもとに期間限定のネットショップを開店。全国に向けて商品を販売します。利益率や決算書類の完成度、マーケティングなどを対象に審査が行われ、優勝者には100万円相当のビジネス研修旅行が授与されます。

前回大会の選考通過商品には、ブランド米詰め合わせや琉球金細工風ブレスレット、オリジナルスマホスタンドなどがあります。

リアビズ 高校生模擬企業グランプリ
https://reabiz.jp/

<リアビズってこんな大会!>

ナレッジイノベーションアワード

グランフロント大阪の中核施設「ナレッジキャピタル」が、産業創出と人材育成の一環として開催しているアワードです。高校生アイデア部門では、「未来の”私の”仕事を考える」をテーマにアイデアを募っています。選考基準は、独創的なアイデアかどうか、今ある仕事の内容にとらわれない自由な考えか、自分が考える社会の未来像をとらえているかなど。書類選考後、最終選考会を経てグランプリが決まります。

ナレッジイノベーションアワード 高校生アイデア部門
https://kc-i.jp/activity/award/innovation/2021/high/

文系の人向けのコンテスト

スピーチやエッセー、標語など、自分の考えや主張を言葉にして表現するのが得意な人向けのコンテストを紹介します。

「世界子どもの日」映像スピーチコンテスト

国連が定めた「世界子どもの日(11月20)」に合わせて開催される映像スピーチコンテストです。小学生から高校生を対象としています。5分から7分以内のスピーチ映像を撮影して応募します。テーマは、「子どもの人権・権利について」「世界や日本の子どもたちの人権状況」「身近なところで感じた人権の大切さ」など。人権と自分との関わりに重点を置いたスピーチが求められます。

「世界子どもの日」映像スピーチコンテスト
https://hrn.or.jp/speech/

小泉信三賞全国高校生小論文コンテスト

高校生の文章表現能力の向上を目的とした小論文コンテストです。慶應義塾大学元塾長の小泉信三氏の没後10年を記念して、1976年から始まりました。与えられた5つのテーマから1つを選択し、そのテーマについて自分なりの考えや主張を自由に論じます。入賞作品は慶應義塾機関誌「三田評論」および慶應義塾大学ウェブサイトに掲載されます。

小泉信三賞全国高校生小論文コンテスト
https://www.keio.ac.jp/ja/about/learn-more/tradition/koizumi-contest/

環境関連のコンクール

環境教育ポスターコンクール

地球環境の大切さを絵と標語で表現したポスターのコンクールです。地球温暖化の影響や、持続可能な開発目標(SDGs)、エネルギー問題など、地球環境を考える上で重要なテーマを取り上げて、それを絵と標語で表現した作品が求められます。

環境教育ポスターコンクール
https://kodomo-zaidan.net/ourbusiness/career_path/poster

コンテストの参加準備は、計画的に

今回紹介したコンテスト・競技大会のほかにも、やデザインコンペ、英語によるプレゼンテーション大会、地域活性化策コンテスト、翻訳コンクールなど理系から文系までさまざまな高校生向けコンテストが開催されています。どれも、参加するにはそれなりの準備が必要です。高校3年時に受験勉強と並行して準備をすると、勉強に集中できないおそれもあります。

参加には高校1年、2年時からコンテストに向けて資料を集めたり、自分の考えをまとめたり、アイデアをストックしておくといいでしょう。またプログラミングなどは技術の習得に時間がかかるので、早いうちからスキルを磨いておく必要があります。

入賞すれば高校生活における活動実績となり、入賞できなくてもチャレンジした意欲を大学入試の面接でアピールすることができます。得意分野のコンテストを見つけて、ぜひ挑戦してみてください。