大学受験の基礎知識

高校生でも参加できる【ボランティア活動】。総合型選抜で評価対象にする大学が増えている?

春夏の長期の休みや休日を活用して、ボランティア活動に挑戦してみたいと考えている高校生も多いのではないでしょうか。大学入試では、総合型選抜や学校推薦型選抜の出願資格の一つに、ボランティアの活動実績を含める大学も増えおり、学力だけでなく社会活動への参加意欲も大学の評価対象になっています。今回は、高校生でも参加できるボランティアの種類や探し方や、参加する時の注意点などについて紹介します。

高校生も参加できるボランティア

「ボランティア」は、自らの意志で参加するもので、報酬を得ることなく、他の人や社会のためにおこなう活動です。活動には、介護など福祉支援、自然環境や動物の保護、文化芸術の普及、災害支援や防災・防犯、地域活性、国際交流などさまざまなものがあり、もちろん高校生も参加可能な活動があります。高校生でも参加できるボランティア活動にはどのようなものがあるのか、一部を紹介します。

街の清掃活動

特別な知識や経験は不要で、気軽に参加できるボランティアです。まだボランティア活動をやったことのない人が、参加するいいきっかけになるかもしれません。街中や公園、河川敷などでごみ拾いを行います。また、地域のお祭りやイベントなどでも、ごみ拾いのボランティアを募集することがあります。ごみ拾いは、街がきれいになるなど、活動の成果が目に見えて現れるので、とてもやりがいのある活動です。

農業支援ボランティア

跡継ぎがいない、新規就農者が少ないなどが原因で農家の人手不足は深刻です。そんな農家で、農作業のお手伝いをするのが農業支援ボランティアです。一定期間住み込みで作業するタイプもありますが、高校生なら週末などに行われる単発のイベント型ボランティアをお勧めします。作業内容は土づくりから種まき、田植え、収穫、作物の選定作業など。農家の人から直接専門技術を学べるという貴重な体験ができるのもメリットです。

学習支援ボランティア

将来、教育関連の仕事に就きたいと考えている人、子どもと接するのが好きな人にお勧めのボランティアです。学校に居場所がなく不登校になっている子どもや、家庭の事情で塾などに行けない子どもが通うフリースクールで、勉強を教えたり話し相手になったりします。また、難民として日本に在住している子どもの学習支援を行うボランティアなどもあります。

高齢者施設でのボランティア

老人ホームや介護施設でのボランティアは、特別な資格がなくても参加できます。内容は話し相手や本の朗読、散歩の付き添い、食事の配膳、室内の清掃、備品の補充、庭の手入れなど多岐にわたります。高齢者と触れ合うことで、多くの学びを得ることができるというメリットがあります。また、高齢者向けの配食サービスのボランティアもあります。お弁当の調理補助や盛り付け、配達などを行います。

マラソン大会のサポート

スポーツやコミュニケーションが好きな人にぴったりのボランティアです。スタート前に受付でゼッケンを渡したり、折り返し地点でランナーを誘導したり、給水所でランナーに水を渡したり、大会終了後にごみを片づけたりといった活動内容です。応援に対してランナーが応えてくれるので、コミュニケーションを楽しむこともできます。

保護動物の世話をするボランティア

保護犬や保護猫を預かって世話をしているシェルターなどでは、慢性的な人手不足となっているところが多く、そこで手伝いをするボランティアが求められています。具体的には、動物病院の付き添いや保護ハウスの清掃、犬の散歩、犬や猫への餌やりや投薬などの作業を行います。動物が好きな人にはぴったりのボランティアです。

選挙ボランティア

静岡県御前崎市では、高校生が選挙事務のボランティアに参加する取り組みが行われました。2021年10月に実施された衆議院議員選挙の期日前投票の会場で、投票に来た人を案内したり、使用済みの鉛筆を回収したり、啓発グッズの配布を行ったりしました。高校生に、選挙を身近に感じてもらうためのこうした取り組みは、今後も広がっていくと考えられます。

観光ボランティア

観光客に対し、地域の観光資源や歴史などを案内するガイドのボランティアです。ガイドをすることで、自分も日本文化をより深く知ることができるほか、外国人観光客相手の場合は生きた英語を学ぶこともできます。

自分にあうボランティアを探すには

実際にボランティアに参加してみたいけれど、どこでどのような活動が行われているのかわからないという人も多いでしょう。自分にあったボランティアを探す方法をご紹介します。できるだけ自分に関心のあることから、無理せずにできる活動を探してみましょう。

ボランティア情報検索サイトで探す

情報サイトにはボランティアの募集情報を掲載している専用ポータルサイトがあります。「ボランティア 探す」などで検索してみましょう。エリアやテーマを選んで探すことができるので、自分に合ったボランティアを見つけることができます。

ボランティア情報検索サイト「activo(アクティボ」
https://activo.jp/

・Yahooボランティア
https://volunteer.yahoo.co.jp/

・ボランティアプラットフォーム
https://b.volunteer-platform.org/

地域のボランティアセンターで探す

各地域には、ボランティア情報の収集や発信をおこなう「ボランティアセンター」があります。市区町村単位で設置されており、センターにはボランティアコーディネーターがいるので、どのようなボランティアに参加したいのか相談してみましょう。あなたの地域に密着したボランティアを紹介してもらえるかもしれません。

・東京ボランティア:市民活動センター
https://www.tvac.or.jp/

学校で相談してみる

学校の掲示板に、ボランティア募集のポスターが掲示されている場合があります。また、直接担任の先生に相談してみるのもいいでしょう。学校で紹介してもらえるボランティアであれば、安心して活動できるはずです。

活動実績は、大学入試に活用できる?

高校生としてボランティア活動に参加することで、多くの学びや経験を得ることができるはずです。その貴重な経験をできれば大学入試にも活用したいもの。
大学によっては、ボランティア活動を、部活の大会実績や海外留学、英検などの資格と同様に課外活動の実績のひとつとして、総合型選抜や学校推薦型選抜の評価対象に取り入れている場合があります。まずは、希望する大学のアドミションポリシー、出願資格を確認してみましょう。

慶應義塾大学:総合型選抜(FIT入試)
<A方式出願資格>より抜粋
(c)ボランティア活動や地域の社会的活動などを熱心に行い、その実績を示せる者

慶應義塾大学:総合型選抜
https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/docs/fit_youkou.pdf

早稲田大学 総合型選抜:社会科学部(全国自己推薦入学試験)
出願資格より抜粋
④その他、学校外での諸活動(学校以外のクラブ活動、ボランティア活動等)においてめざましい活
躍をした者。

早稲田大学:総合型選抜
https://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2020/07/2020_AO.pdf

受験目的だけのボランティア活動はNG

入試に活用したい、面接でアピールしたいといっても、ボランティア活動が単に受験ための実績づくりを目的としたものであれば、大学側でもすぐにわかってしまいます。どんな問題意識を持って、なぜボランティア活動に参加したのか、また参加したことでどのような貢献ができたのか、そしてどのような学びを得ることができたのかを活動ごとに整理してまとめておくことが大切です。

志望が福祉学部であれば、福祉系のボランティア、農学部であれば農業支援ボランティアなど、大学で学ぼうとしている内容と関係のあるボランティア活動への参加も意識してみましょう。

また、ボランティア活動に参加したことを証明する「ボランティア活動証明書」を各団体が発行しています。活動をアピールするための客観的資料になるので、申請して発行してもらうといいでしょう。発行手数料は無料の場合と有料の場合があるので、事前に確認してください。

ボランティア活動に参加する際の注意点

社会貢献できる自主的に参加する活動ですが、高校生がボランティに参加するにはいくつかの注意点があります。参加前にチェックしておきましょう。

ボランティア団体が信頼できる団体か確認する

ボランティアを受け入れている団体が信頼できるところか事前に確認しておきましょう。団体のウェブサイトを見て、活動が実際に行われているか、代表者名や連絡先が明記されているか確認してください。

参加費用がかかる場合もある

無償で働くのだから参加費用も無料と思いがちですが、ボランティアによっては活動に参加するのに費用がかかる場合があります。また、活動中の事故などに備えて、ボランティア保険への加入を義務付けている団体もあります。

自分ができる範囲で活動する

人のためになりたい、挑戦したいという気持ちは素晴らしいことですが、自分の能力を超えた仕事、できる範囲を超えた仕事を引き受けてしまうと、主催者や周りの人に迷惑をかけることにもなりかねません。不安な人は、まずごみ拾いなど手軽な活動から参加してみるといいでしょう。

危険作業がともなう活動は避ける

災害現場でのボランティアは知識と経験が必要な場合もあり、また危険がともなう可能性もあるので、高校生のボランティア初心者には難しいでしょう。泊まり込みでの長期間のボランティアは、勉強に支障が出るおそれがあるので、単発で参加できる活動を選びましょう。また宗教団体が主催するボランティア活動は、団体への勧誘などを受けるおそれがあるので避けた方が無難です。

新型コロナの影響でボランティアにも変化が

新型コロナウイルス感染症の影響で、ボランティアが中止や延期になるケースもあるので注意です。例えば家族の面会も制限されている高齢者施設では、ボランティアの受け入れを一時的に中止にしている可能性があります。またイベントボランティアに参加するには、新型コロナワクチン接種証明書や、PCR検査による陰性証明書の提示が義務づけられている場合もあります。団体やイベントによって対応が異なる場合があるので、事前にチェックしておきましょう。

受験勉強との両立を考えよう

ボランティア活動はやりがいがある反面、体力を消耗したり長時間拘束されたりするものでもあります。活動に専念するあまり、疲労して勉強がおろそかになっては本末転倒です。受験勉強に支障をきたさないようにうまくコントロールして、活動に参加するようにしましょう。