大学が決まったら次にすべきは部屋探しです。当然ながら、条件のいい部屋から入居者は決まっていくので、早めに動いた方が得策です。とはいえ、一人暮らしや部屋探しは初めてという人がほとんどでしょう。最近は、不動産とテクノロジーをかけ合わせた「不動産テック」という言葉が浸透しているように、スマートフォンやIoTなどのIT技術を活用したサービスも登場しています。物件探しの「今」を紹介します。
学生向けの物件情報検索サイトを活用しよう
多くの不動産仲介会社が、一人暮らしの学生を対象とした物件情報検索サイトを提供しています。学校名や通学時間で検索して、学校に近くて通いやすい物件を探すことができるほか、「管理費・共益費込み」「礼金なし」「家賃カード決済可」「2階以上」「オートロック」などさまざまな条件から検索することもできます。
うまく条件を組み合わせて、自分の理想に近い部屋を探しましょう。
学生向けのおすすめ物件検索サイト
・SUUMO(スーモ)学生版
https://gakusei.suumo.jp/
・ホームズ 学生向けの部屋探し
https://www.homes.co.jp/chintai/college/
・エイブル 進学応援部
https://shingaku.able.co.jp/
・ガクセイCHINTAI
https://gakusei.chintai.net/
・ピタットハウス 大学・短大・専門学生向けお部屋探し
https://www.pitat.com/rent/gakusei
スマートフォンだけで部屋が借りられるサービスも登場
最近は、ホテルの宿泊予約のような感覚で、スマートフォンだけで手軽に部屋を借りることができる「OYO LIFE」というサービスも登場してきました。学生向けの物件ばかりを集めたサイトではありませんが、手軽に物件を選べるのは魅力といえます。
・OYO LIFE
https://www.oyolife.co.jp/
入居までの手順はシンプル。スマートフォンで住みたい街を検索して物件を探し、気に入った物件が見つかったらメールか電話で部屋を確定します。不動産屋への来店や部屋の内見は不要です。クレジットカードによる決済手続きを行い、契約して入居前手続きを行います。ここまで最短30分で完了します。
初期費用がかからず、すぐ入居できる
OYO LIFEの特徴は、敷金、礼金、手数料が全て無料で初期費用がかからないこと。また全ての部屋が家具家電付きで、水道光熱費やWi-Fiの通信費、定期的なハウスキーピングも含まれているので、入居してすぐ快適に暮らすことができます。
もうひとつの特徴は、2年契約の縛りがないこと。最短6カ月から居住可能で、1カ月から住める物件もあるので、気に入った街や憧れの街に「取りあえず住んでみる」こともできます。
VR技術を活用した「スマート内見」
入居後のトラブルを避けるため、事前に物件を見ておく内見は重要です。とはいえ、遠方に住んでいる場合など何件も物件を見て回るのは負担が大きいです。そんな時に便利なサービスが、VR(バーチャルリアリティー)技術を使うことで、現地に行かないで内見ができるスマート内見です。
VRゴーグルを装着すると仮想空間に部屋が再現され、現地まで行かなくても間取りや広さ、
日当たり、室内の設備などを自分の感覚として体験できます。
「IT重説」で説明もインターネットで
これまで賃貸物件の契約の際には、宅地建物取引士から対面、つまり直接会って「重要事項説明」、いわゆる重説を受けることが義務付けられていました。それが2017年10月より、インターネットを介してテレビ電話などで重要事項の説明を行う「IT重説」が導入されたため、賃貸に必要な手続きを全てオンラインで行うことが可能になったのです。
IoT技術を活用した物件も登場
IoT技術を活用して部屋の価値を可視化する取り組みも行われています。空き部屋にセンサーを設置して、温度や湿度、照度、騒音などを計測し、実際に住んでみないと分からない環境をデータ化するというものです。物件を検索する時に、こういった環境データが提示されていれば、入居後のトラブルをなくすことができます。
また、スマートフォンで鍵の開閉を行うスマートロックや、センサーを搭載したスマートポスト、家電のリモコンを1台に集約したスマートリモコンなど、IoT技術を取り込んだ物件も登場しています。
家賃を少しでも安くしたい人に。4つの家賃交渉術
毎月支払う家賃は、少しでも安くしたいもの。賃貸物件の家賃は下がらないと思っている人も多いかもしれませんが、交渉次第では安くしてもらうことも可能です。交渉のポイントを紹介します。
家賃交渉といっても、いきなり「家賃を下げてくれ」と切り出すのは無謀です。まずは、交渉の余地がある物件を見極めることが重要です。
1.築10年以上の物件
築年数が10年を超えると設備も古くなり、借りる側も築10年をひとつの目安として借り控えする傾向が見られます。また、10年程度だとまだ家賃を下げていない場合が多いため、交渉の余地があります。
2.交通の便が悪い物件
最寄り駅まで徒歩15分以上かかる、最寄り駅までバスを使う必要があるなど、交通の便が悪い物件は交渉の際に有利です。
3.空室期間の長い物件
不動産会社も大家も早く空室を解消したいと考えているはずなので、交渉しやすくなります。
4.繁忙期の終わった4月に空室の物件
賃貸物件の需要が最も高まる2月から3月は、売り手市場になるため交渉しにくいといえます。逆にいえば、繁忙期が過ぎた4月になっても空室の物件は交渉しやすく、家賃を下げてもらえる可能性があるでしょう。
交渉の前に事前準備を
実際に家賃交渉をする際の事前準備として、物件情報検索サイトを使って周辺の家賃相場を調べておくことをお勧めします。また、ここは譲れない、ここは譲歩してもいいという自分なりの条件をあらかじめ決めておくと、交渉がスムーズにいきます。
申し込みに前向きな姿勢を見せるのが交渉のコツ
交渉を切り出すタイミングは、申し込みの直前、あとひと押しあれば申込書に記入するという前向きな姿勢を見せるのがポイントです。「あと3000円下がったら申し込みます」など、具体的な数字を出すと不動産会社も大家に交渉しやすくなるので、成功する確率も高くなります。
家賃ではなく礼金で交渉するのも手
家賃はすでに入居している人の手前、下げにくいと考えている大家さんも、礼金なら抵抗なく下げることができる場合があるので、礼金を交渉してみる方法もありです。
交渉はコミュニケーションのひとつなので、言い方や態度で相手の反応が変わる可能性もあります。下げて当然という横柄な態度は禁物。「この人に借りてもらいたい」と思ってもらえるような態度で交渉に臨みましょう。