新型コロナウイルス感染症防止対策として、各大学で「オンライン受験(入試)」の導入が進んでいます。しかし受験生のなかには、「自分のパソコンを持っていない」「古いからオンライン受験に対応できないかも?」という人もいるでしょう。今回はオンライン受験のパソコンの準備の方法について説明します。
オンライン受験に必要なパソコン条件は?
オンライン受験とは、受験生が試験会場に集まらずに、自宅などで入学試験を受けること。コロナ禍においては、感染リスクを下げて安全に受験できるようにする対策のひとつです。受験生が用意したインターネットが利用できるパソコンと、Zoomなどのオンライン会議用ソフトを利用して試験を受けることになります。
必要なスペックを大学の受験要項で確認
パソコンの準備にあたり、まずはオンライン受験で必要となるパソコンの条件を確認しましょう。志望する大学のサイトなどで受験要項を確認し、利用するオンライン会議用ソフトのほか、パソコンの「推奨スペック」などあればメモを取ります。
具体的な推奨スペックについて記載がない場合は、指定されたソフトが十分動作するパソコンを用意します。
一般的に、オンライン会議用ソフトを利用する場合、ここ2、3年の間に発売されたパソコンで、OSが「Windows 10」や「macOS」、Webカメラ、マイク、スピーカー機能が付いていれば、ほとんどの場合、性能としては問題ありません。
【OS】
・macOS XとmacOS 10.9以降
・Windows 7以降、
【システム】
・インターネット接続
・Webカメラ
・スピーカーとマイク
Zoom: https://support.zoom.us/hc/ja/articles/201362023
【パソコンを持っている場合】事前に動作テストを
パソコンを持っている場合は、オンライン会議用ソフトが動作するかを試します。できるだけ、受験する大学が指定しているソフトでテストしましょう。もし動作しない場合は、別のパソコンの手配が必要になるため、1ヶ月前などに余裕をもって確認しておきましょう。
Zoomなどは無料で利用できますが、この種のソフトは1人では利用できません。家族や友人と一緒にテストしてみることをお勧めします。各自のパソコンからソフトを起動し、お互いの顔が見えるか、声が明瞭に聞こえるかなどを実際に確かめてみてください。
映像や音声のスムーズさをチェック
パソコンが古い場合、性能が低いためスムーズに動かない可能性があります。画面に映る相手の映像がコマ送りのように動きがカクカクになったりするなど、動画表示がスムーズに行えなくなるといった支障が出ることもあります。
しばらくテストをしてみて、映像や音声が遅延なく伝わることを確認できたなら、そのパソコンでオンライン受験にのぞんでも問題ないでしょう。特に面接に用いる場合は、動作確認だけでなく、コミュニケーションが取りやすいよう、画像の映り方、音声の品質などに気を配って確認しましょう。
パソコンに「Webカメラ」が付いていない場合は
パソコンを持っていても、Webカメラやマイクが付いていないケースもあります。ノートパソコンには、たいてい内蔵されていますが、デスクトップタイプのパソコンは搭載されていないものがほとんどです。
このような場合は、Webカメラやマイクが、Amazonなどで数千円から購入することができるので、パソコンに接続すれば、オンライン受験に使えるようになります。
【パソコンがない場合】短期のレンタルでも
パソコンを持っていない場合や、ソフトがスムーズに動作しなかった場合、オンライン試験に向けてパソコンを用意する必要があります。
レンタルパソコンを利用する
パソコン、Webカメラなどを一定期間借りられるレンタルサービスがあります。例えば、ノートパソコンの2週間レンタルであれば、7,000円程度(送料含む)のプランもあり、新しくパソコンを購入するより、出費を抑えられます。
貸出期間は、日数単位で指定できる場合から月単位まで事業者によってさまざまです。動作確認やリハーサルが行えるよう、試験日より早めに到着するように手配すると安心です。レンタルを利用する際に注意したいのは「在庫切れ」です。オンライン受験の時期は需要の増加も予想されます。受験日程が決まったら早めに予約し、端末を確保しておきましょう。
・楽天レンタル
・ゲオあれこれレンタル
・パソコンレンタルマン
購入するなら、大学入学後を想定して
これを機会に新しくパソコンを購入するのも方法です。大学では履修登録やレポートの提出、オンライン講義など、さまざまなシーンでパソコンを使います。パソコンの持ち込みを「推奨」している大学も多く、なかには「必須」としているケースもあります。
購入する場合は、「オンライン受験で使えるか」ではなく「大学の授業に活用できるか」という視点で選ぶことをおすすめします。大学や学部によっては、パソコンの推奨スペックをインターネットで公開しています。志望校、志望学部でパソコンの推奨スペックなどが公表されていないか調べてみてください。
新規にパソコンを購入する場合、納期にも気をつけましょう。機種によっては納品まで1カ月近くかかる場合もあります。
・神戸大学:大学生向けポータルサイト パソコン必携
・お茶の水女子大学:マイパソコンのすすめ
・明治学院大学法学部:必携ノートパソコンに関するお知らせ
・慶應技術大学:SFC総環総合政策学部・環境情報学部 BYODについて
家族や友人から借りる場合は細心の注意を
家族や友人がパソコンを持っているなら、試験にあわせて一時的に借りるのがもっとも手軽な方法です。その場合は十分な注意が必要です。パソコンには使っている人の個人情報や大切なデータが入っています。消してしまったり、流出させたりしないように気をつけましょう。
特に、仕事で利用しているパソコンの場合は、会社の機密情報が保存されている場合もあり、操作ミスをして重要な情報を流出させたりすると大変です。仕事で使っているパソコンは避けるのが望ましいといえます。
この他には、通っている高校で貸し出し用のパソコンを用意していたり、授業用のパソコンが利用できるケースもあります。学校の担任に相談してみるのも方法のひとつです。
新しく入手したら余裕を持って動作確認、リハーサルを
パソコンを用意したら、あらためて動作テストやリハーサルを行ってください。パソコンによってはキーボードの配列などが異なるため、操作に戸惑い、オンライン受験の本番で慌ててしまうこともありえます。オンライン受験本番を迎える前に、パソコンやソフトの使い方に慣れるようにしておきましょう。
大学によっては、オンライン受験(入試)について、サポート窓口が用意されています。受験要項を良く読み、わからない部分は事前に相談してみましょう。