大学の選び方

【大学の選び方】学部や学科だけで選ぶと後悔するかも?!キャリア論の専門家が教える「大学選びのポイント」

大学への進学を希望する皆さん、志望校は決まっていますか? 偏差値や学部・学科以外にも、大学を選ぶ時に知っておいた方がいいことがあります。工学院大学教育推進機構 国際キャリア科教授・二上武生先生に、キャリア論をベースにした「大学選びのポイント」を教えていただきました。

工学院大学教育推進機構 国際キャリア科教授
工学院大学 キャリアデザインセンター所長
二上武生(にかみ たけお)先生

工学院大学教育推進機構国際キャリア科で、主にコミュニケーション能力、リーダーシップ教育、インターンシップに関する実践研究に取り組んでいる。同学では、学生のキャリア形成支援の充実をはかるために、「工学院大学キャリアデザインセンター」を2019年に開設。二上先生は、その所長も務めている。

<大学の選び方>

なぜその大学を選びましたか?

皆さんは、何を基準に受験する大学を決めますか? 学力や居住地によって、受験する大学が絞られてしまう人もいるかもしれません。しかしどの大学を選んだとしても、大事なのは「目的」を決めて入学することです。

大学選びだけでなく、人生の節目には就職や転職などで、進む道を決める「選択」をしなければなりません。そのときに、「なぜこの道を選んだか?」と自分に問いかけ、自分にとっての意味を考えることが大切なのです。

大学に何を求めていますか?

自分の気持ちを整理するために、「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やるべきこと)」という3つの条件から、大学選びの視点について考えてみましょう。

3つの条件で整理

Will(やりたいことから選ぶ)→「学部・学科」「教育内容」「研究」「環境」
Can(入れそうなところから選ぶ)→「入試難易度」「学費」「立地」
Must(入って価値があるところから選ぶ)→「キャリア(就職・進学)」

大学に何を求めているかを考えるとき、大きく分けると「自己成長」(どれだけ自分が成長できるか)と「学生生活」(どれだけ充実した学生生活が送れるか)という2つの視点があります。どちらが正解ということではなく、大切なのは「あなた」がどちらを重視しているかです。

大学選びの2つの視点

<どちらを重視する?>
自己成長:どれだけ自分が成長できるか
学生生活:どれだけ充実した学生生活が送れるか

例えば、サークルなどの課外活動にも積極的に参加して、学生生活を充実させることを重視している人が、授業や研究で忙しい理工系に進んだらどうなるでしょうか? そのようなミスマッチが起こらないように、しっかり考えておくことが大切です。

入るときの偏差値より、どれだけ成長できるかが重要

大学に入って自分がどれくらい成長できるかを考えるとき、入学時の偏差値に目が行きがちだと思います。しかし大切なのは、入学したときの自分からどれだけ成長できるかなのです。成長するためには、教育内容が重要なポイントとなります。

例えば、カリキュラムの組み方。1~2年で基礎をしっかりやってから応用に進むのか、1年次から応用にも取り組むのか。講義と演習・実験のセットで理解を深めるのか、まずは講義を集中的に行ってから演習や実験に進むのかなどは、大学によって異なります。そして、教育内容とともに大切なのが研究内容です。

理工系は、志望する大学に『やりたい研究』があるか?

特に理工系に進む人は、教育の成果としての研究が自己成長のポイントとなります。その大学にやりたい研究があるのか、自分に合った教育活動ができるのか、研究室についても調べてみましょう。大学で学んだことを就職活動に活かすことができれば、結果的に充実した大学生活を送ることにもつながるのです。

しっかり調べて「自分で決める」

人生の節目で自分が進む道を選ぶときに大切なのは、「自分で決める」ということです。決めるための視点を持ち、視点をもとにしっかり調べます。選択肢の中から自分の考えに合ったものを選ぶことができれば、充実した人生を送ることができるのです。ですから入学前に、自分が大学に何を求めているか明確にしておきましょう。教育や研究内容は、各大学のサイトで調べることができます。それぞれについて調べたら、大学ごとの違いを比べてみましょう。

「アドミッションセンター(入学センター)」を活用しよう

多くの大学には、大学進学を考えている高校生に向けて情報を発信したり、学部・学科選びの相談にのってくれる「アドミッションセンター」(入学センター)があります。授業内容やカリキュラムについて詳しく知りたいときは、大学のサイトにある「アドミッションセンター」のページから、問い合わせしてみましょう。また、各大学で実施しているオープンキャンパスにも積極的に参加してみましょう。

理工系の大学を目指す場合は、入学前から研究室についても知っておくことが大切です。二上先生の工学院大学では学生たちがどのようにして『やりたい研究』を見つけているのか、教えていただきました。

工学院大学は「やりたい研究が必ず見つかる大学」

工学院大学には、160もの研究室があります。日本で唯一その分野の研究をしているという研究室もあり、最先端の研究に取り組んでいる研究室も多いです。その中からやりたい研究が見つかるように、1~2年生の学部共通カリキュラムで、専門分野の基礎について幅広く学びます。幅広く学んでいくうちに、入学時には漠然としていた興味が、将来に向けて明確になっていくのです。

例えば、高校生のときから独学でプログラミングを学んでいた学生は、専門分野の基礎となる授業を受けていく中で「多変量解析」と出会い、機械学習の分野に進みました。

キャンパス内には最先端の設備が整っており、授業や学生の研究、企業との共同研究などで幅広く活用されています。企業や外部機関との共同研究を通じて、実社会で求められる協働、チームワークの大切さ、プロジェクト運営の仕方なども学ぶことができます。やりたい研究が見つかることが、自己成長への第一歩なのです。

工学院大学についてさらに詳しく知りたい人は、動画で二上先生の話を聞いてみましょう。

<工学院大学の特徴>

工学院大学WEBオープンキャンパス