大学の選び方

大学が運営する【美術館】に出掛けてみよう! 巨匠や美大の学生の作品も生で見られる!

美術系の大学では、美術館を運営している大学も多く、企画展などで収蔵作品を鑑賞することができます。それだけではなく、大学系の美術館は学生が制作した作品を展示するスペースを設けたり、学生の作品を紹介する企画展を開催しており、先輩たちの活躍をじかに見ることができます。今回は>「大学が運営する美術館」を紹介します。

大学美術館の特徴とは?

キャンパスの中に絵画や彫刻などを展示している美術館を運営している大学もあります。

一般的な美術館は、有名画家や彫刻家の作品を収集、常設展示したり、テーマに沿った企画展を催したりするものです。ウェブや本などで作品を目にすることはできますが、「実物はこんなに大きい作品だったのかと驚いたり、絵の具を何重にも塗り重ねて複雑な表現をしている画家の筆致に感心したりなど、本物を見ることによって得られる感動は大きいものです。

一方、大学が運営する美術館は、そういった芸術の発信地としての側面を持つと同時に、学生や卒業生が制作した作品を収集、展示しているところが、一般の美術館とは異なるところです。

学生の美術作品も収集、展示

特に学生や卒業生の作品は、その大学の教育の特色を表す「顔」ともいえます。先輩たちがどんな作品を作っているか見ることで、その大学の校風を何となく感じることができるでしょう。

学生や卒業生の作品は、東京造形大学美術館のように専用のギャラリーで展示している場合もありますが、「学生制作展」「卒業生作品展」として期間限定の企画展として催している場合も多いので、興味がある人は美術館のホームページなどでスケジュールを確認してください。
「美術大学に進みたい」という希望を持っている高校生にとっては、大学選びの参考にできるかもしれません。また「この大学に入ってもっとすごい作品を作ってやるとモチベーションが上がる人もいるでしょう。

学生や卒業生の作品は、東京造形大学美術館のように専用のギャラリーを設けてで展示している場合もありますが、「学生制作展」「卒業生作品展」として期間限定の企画展として催している場合も多いので、興味がある人は美術館のホームページなどでスケジュールを確認してください。

未来の巨匠の作品が見られるかも

なお美術系大学の卒業生には、現在巨匠と呼ばれている作家もいます。有名画家の岡本太郎や東山魁夷、藤田嗣治、現代美術家の村上隆などは、東京藝術大学出身です。写真家の蜷川実花や、ファッションデザイナーの三宅一生は多摩美術大学出身です。先輩の作品を見ながら、「ここから未来の巨匠が生まれるかも、と想像を膨らませるのも楽しいですね。

また美術作品だけでなく、美術資料や民俗資料の収集に力を入れているのも大学美術館の特徴です。美術館や博物館を運営するための実践的学問であるミュゼオロジーを学びたい人や、学芸員を目指している人などにとっては、一級の資料に触れながら勉強できるというメリットがあります。

学生や卒業生の作品は、東京造形大学美術館のように専用のギャラリーで展示している場合もありますが、「学生制作展」「卒業生作品展」として期間限定の企画展として催している場合も多いので、興味がある人は美術館のホームページなどでスケジュールを確認してください。

大学が運営する美術館を紹介

美術館を持っている大学はいわゆる美大や、美術系、芸術系の学部学科をもつ大学に多く、芸術の発信と教育の2つの側面から、美術作品を収集、展示しています。大学が運営する美術館を紹介します。

開館期間や開館時間は、新型コロナウイルス感染症の影響で変動的になっている場合もあるので、出掛ける時は事前にホームページなどで確認してください。

東京藝術大学大学美術館

東京藝術大学の前身である東京美術学校の開校に先立って、芸術作品や資料の収集を始め、現在では約3万点の収蔵品があります。その中には、33点の国宝や重要文化財が含まれるなど、充実したコレクションが魅力です。また、開校当初から優秀な学生の作品を収集しており、学生制作品がコレクションの重要な位置を占めているのが特徴です。卒業後に巨匠となった学生も多いため、日本の近現代の美術史には欠かせないコレクションとなっています。

<東京藝術大学大学美術館>

開館時間、開館日、入館料などは展覧会によって異なるため、美術館のWebサイトを参照してください。

東京藝術大学大学美術館Webサイト https://museum.geidai.ac.jp/

多摩美術大学美術館

1964年に上野毛キャンパスの図書館内に設立されたのが始まりです。大学の八王子キャンパスへの移転に伴って美術館も移転。1982年から一般公開が開始されました。2000年に現在の多摩センター地区に移設され、リニューアルオープンしました。古美術、考古学、民族資料や、大学教員を勤めた作家の作品のほか、現代版画が収蔵されています。過去の巨匠によるいわゆるファインアートのみならず、デザイン、パフォーミングアート、サウンドアート、工芸、建築、映像など多様なアートを紹介する企画展を積極的に行っているのも特徴です。

開館時間 10:00〜17:00(最終入館は16:30まで)
休館 毎週火曜日、年末年始、展示替え期間
入館料 300円(京王パスポートカード・イオンカードの提示により100円引き)
多摩美術大学美術館Webサイト https://museum.tamabi.ac.jp/

武蔵野美術大学美術館・図書館

1967年、図書館に美術館と博物館の機能を持たせた複合施設として開館しました。美術館としては、20世紀の国内外のデザインポスター作品が3万点、近代の名作椅子を中心としたモダンチェア作品が400点、デザイン資料や美術作品4万点のコレクションを持っています。年間を通して多くの企画展を開催しているのも特徴で、卒業生の優秀作品展も企画展として開催しているので、先輩たちがどんな作品を生み出しているのかじかに見ることができます。

<武蔵野美術大学美術館・図書館施設紹介>

開館時間 月曜日~金曜日:12:00〜20:00
土日・祝日:10:00〜17:00
休館 水曜日、展示準備期間、入構禁止期間
入館料 無料
武蔵野美術大学美術館Webサイト https://mauml.musabi.ac.jp/

東京造形大学付属美術館(横山記念マンズー美術館)

東京造形大学付属美術館のほか、ZOKEIギャラリーとCSギャラリーの3館があります。東京造形大学付属美術館は、1986年に寄贈されたイタリアの彫刻家ジャコモ・マンズーの作品が原点となっています。現在は彫刻10点、版画31点が収蔵されています。またZOKEIギャラリーとCSギャラリーは、学生が制作や研究の成果を発表することを目的とした展示スペースとして運営されています。東京造形大学の教育の特色を発信する場として、重要な役割を担っています。

開館期間、休館日は展覧会によって変わるので、美術館のWebサイトを参照してください。

開館時間 10:00〜16:30
入館料 無料
東京造形大学付属美術館Webサイト https://www.zokei.ac.jp/museum/

日本大学芸術学部 芸術資料館

芸術学部の創設以来、収集してきた写真、映画、演劇、美術、デザインに関する芸術分野の資料を、企画展という形で年に10回ほど展示しています。また、映像芸術専攻修了制作展や、美術学科卒業制作展、造形芸術専攻修了制作展など、学生の作品の展示も積極的に行っています。

開館時間は平日9時30分から16時30分。土曜日は9時30分から12時。休館日は日曜、祝日。入館料は無料。

開館時間 平日:9:30〜16:30
土曜日:9:30〜12:00
休館 日曜日、祝祭日、大学の定める休日、休暇中
観覧料 無料
日本大学芸術学部 芸術資料館Webサイト https://www.art.nihon-u.ac.jp/facility/attached/archives/

愛知県立芸術大学芸術資料館

愛知県立芸術大学内に設立され、1973年に開館しました。日本画、油絵、版画、彫刻、デザイン資料、陶磁器など幅広いコレクションを有しており、収集した資料の展示会を年間を通して開催しています。また学生による研究発表展や教員の作品展示なども行っています。分館の法隆寺金堂壁画模写展示館では、焼失する前の法隆寺金堂壁画を、教員と学生が16年かけて再現した模写が展示されています。

開館詳細の問い合わせ先は資料館のWebサイトを参照してください。

愛知県立芸術大学芸術資料館Webサイト https://www.aichi-fam-u.ac.jp/guide/guide02/guide02-02.html

他にもある大学の美術館

・城西大学水田美術館
https://www.josai.ac.jp/~museum/

・東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム
https://sam.or.jp/

・実践女子大学 香雪記念資料館
https://www.jissen.ac.jp/kosetsu/

・女子美術大学美術館
https://www.joshibi.net/museum/

・横浜美術大学 大学ギャラリー
https://www.yokohama-art.ac.jp/ycad/

・京都芸術大学 芸術館
https://kyoto-geijutsu-kan.com/

・京都芸術大学 康耀堂美術館(学外施設)
http://www.koyodo-museum.com/

・京都工芸繊維大学美術工芸資料館
http://www.museum.kit.ac.jp/

・佐賀大学美術館
https://museum.saga-u.ac.jp/

・MOU尾道市立大学美術館
https://www.onomichi-u.ac.jp/center/art_museum/

・九州産業大学美術館
https://www.kyusan-u.ac.jp/ksumuseum/

・福岡女子大学美術館
http://www.fwu.ac.jp/museum/

同年代の想像力に触れられる大学美術館に出掛けてみよう

美大を目指している人はもちろん、あまり歳の離れていない学生がどんな想像力を駆使してどんな作品を生み出しているのか気になるという人は、大学の美術館に出掛けてみてはいかがでしょうか。新しい発見と感動に出会えるかもしれません。

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