大学の選び方

【スカラシップ入試】制度の魅力とは? 授業料が4年間免除の大学も!(特待生入試、給費生制度)

大学生活での経済的な負担を軽減するための奨学金制度。さまざまな種類がありますが、その一つ「スカラシップ入試」制度の場合は、入学試験で優秀な成績を収めることで、返還不要の奨学金給付や授業料の減免といった支援を受けられます。しかも保護者の年収条件はありません。メリットの多い「スカラシップ入試」について、その内容と気を付けるべき点などを説明します。

「スカラシップ入試」とは? 優秀な学生を経済的に支援する制度

「スカラシップ入試」は、奨学金の給付や授業料の減免をするのにふさわしい、優秀な学生を絞り込むための入学試験のことです。「スカラシップ入試に合格する=奨学金を受給する」ことなので、奨学金制度の一つといえます。

そもそも、「スカラシップ(scholarship)」とは英語で「奨学金」という意味です。ただし、スカラシップ入試の場合は、返還の必要がある「貸与型」の奨学金ではなく、返還不要な「給付型」になります。現金の給付ではなく、授業料の免除あるいは減額という大学もあります。

奨学金を受けるにあたって、保護者の収入に関する条件もありません。さらに、推薦型選抜とは異なり、高校時代の成績も問われません。基本的には、成績優秀者として試験に合格することだけが求められるといってもよいでしょう。

「特待生入試」「給費生制度」など、名称は大学によって異なる

「スカラシップ入試」は、すべての大学で実施しているわけではありません。また、「優秀な学生を試験で絞り込み、経済的な支援を行う」という方法・目的は同じでも、大学によって「特待生入試」「給費生制度」など名称はさまざまです。

各大学で「スカラシップ入試」の有無を確認する際は、「特待生」「給費生」といった名称の奨学金制度についても併せて見ておく必要があります。

2タイプある「スカラシップ入試」の入学試験

ひと口に「スカラシップ入試」といっても、奨学金を給付(もしくは授業料の減免)する対象者を絞り込むための入学試験の方法は、大学によって異なります。主に、次の二つのタイプがあります。

独自試験を行うタイプ

一つめは、「スカラシップ入試」のための独自試験を行う大学です。志望者は「スカラシップ入試」に出願して受験、大学が定める優秀な成績で合格すれば、奨学金給付などの対象となります。

通常の入学試験を利用するタイプ

もう一つは、一般選抜(通常の入学試験)を利用する大学です。大学個別の試験や「大学入学共通テスト」を受けて、そこで優れた成績を収めると「特待生」や「給費生」に選ばれて、奨学金を受けることができます。

一般選抜を利用する場合は、事前に「スカラシップ入試」の申請・出願が必要な大学と、特別な申請は不要という大学があります。後者の場合は、特に「スカラシップ入試」を意識する必要はありません。試験の成績が良ければ自動的に奨学金給付の対象になります。

試験問題の難易度は特に高いわけではない

特に成績が優秀な学生を絞り込む試験ということで、試験自体の難易度が高いと思っている人もいるかもしれません。しかし、「スカラシップ入試」も一般的な入試と問題の難易度は変わりません。

例えば、神奈川大学の「給費生試験」(内容は「スカラシップ入試」と同様)の公式サイトには、

試験は3科目型で難易度は一般入試と同じ水準のため、決して特別に難しい試験問題ではありません。標準的な問題となっていますので、教科書を中心とした学習で対応可能です

と明記されています。詳細は、受験する大学の「スカラシップ入試」のウェブサイトなどの情報などで確認しましょう。

最大のメリットは「奨学金の手厚さ」

「スカラシップ入試」の魅力は、何よりも返還不要な奨学金の金額――つまり「手厚さ」にあるといってよいでしょう。

制度を導入している大学の中には、1~4年までの4年間分の授業料に相当する金額の奨学金を給付するというところが少なくありません。また、すでに述べたように、奨学金としてではなく授業料などを全額免除あるいは半額免除にする大学もあります。

学費は大学・学部によって大きく異なりますが、仮に1年間の授業料が100万円の大学であれば、4年間では400万円に達します。半額でも200万円です。また、文系より授業料の高い理系の大学・学部の場合は、4年間で600万~700万円超となる場合もあります。

これだけの経済的支援が受けられることは、学生本人にとっても保護者にとっても、非常に大きなメリットであることは間違いありません。さらに、自宅外から通う学生などに生活援助金を支給する大学もあります。

奨学金だけではない「スカラシップ入試」の魅力

「スカラシップ入試」で得られるメリットは、成績優秀者への奨学金給付や授業料の減免だけにとどまりません。もちろん最大のメリットは経済的サポートですが、それ以外にも次のようなことが挙げられます。

自分に自信がつく

通常の入学試験では合否しかわかりませんが、「スカラシップ入試」の場合は、試験で優秀な成績を収めたことが証明されています。「優秀な成績で合格できた」という事実は、自分への自信につながるのではないでしょうか。

勉学のモチベーションを維持できる

「スカラシップ入試」で入学しても、無条件にそのまま4年間、奨学金が給付され続けるわけではありません。多くの大学では、一定の成績を維持できなければ、奨学金が打ち切られることもあります。そのため、入学後もしっかり勉強する必要があり、(半ば強制的かもしれませんが)勉学へのモチベーションを維持できます。

「就活」でもプラスに働く

「スカラシップ入試」で合格したこと、また奨学金を継続するために4年間学業に力を入れたことは、優秀な学生の証しといえます。就職活動でもアピールでき、プラスに評価されるでしょう。

さらに、「スカラシップ入試」専用の入学試験を行う大学の場合は、入試日程が一般選抜より早く設定されています。そのため、学校推薦型選抜や総合型選抜と同様に、早い段階で合格が決まるというのもメリットの一つといえるかもしれません。

「スカラシップ入試」のある大学の実例

ここでは、「スカラシップ入試」の具体例をいくつか紹介します。あくまで一部の大学の例ですが、大学ごとに試験の実施方法、奨学金の内容などに違いがあることを知っておきましょう。

神奈川大学「給費生試験」

4年間で総額880万円。4年間の学費+入学金相当を給付、自宅外通学者には生活援助金も!

試験の形式 専用の独自試験。一般選抜に先駆けて年内に全国22の会場で実施。
奨学金の内容 初年度は20万円(入学金相当額)+各学部の学費相当、2年目以降は各学部の学費相当を給付。
自宅外通学者には別途年間70万円の生活援助金。
奨学金は学部によって異なるが、もっとも学費の高い建築学部で、かつ自宅外通学者の場合は4年間で総額880万円に達する。
その他 「給費生」に採用されなかった場合も、一般入試合格者と同等の学力があるとされた場合は、一般入試を免除して入学が許可される。

神奈川大学「給費生試験」公式サイト
https://www.kanagawa-u.ac.jp/admissions/faculty/stipendiary/

東洋英和女学院大学「スカラシップ入試」

4年間で総額428万円。4年間の学費を免除、総合型選抜などの合格者もチャレンジ可能

試験の形式 専用の独自試験。一般選抜に先駆けて年内に横浜と東京の会場で実施。合格者のうち、特に成績の優れた受験生のみ「スカラシップ生」として合格となる。
奨学金の内容 現金給付ではなく、学費の全額を免除。内訳は、授業料+教育充実費+施設設備資金で合計金額は年間107万円(4年間では428万円)
その他 「スカラシップ入試」より試験日が前の総合型選抜と学校型選抜の合格者は、追加の検定料を支払って「スカラシップ入試」にチャレンジすることも可能。

東洋英和女学院大学「スカラシップ入試」公式サイト
https://www.toyoeiwa.ac.jp/daigaku/nyushi/info_03.html

国士舘大学「成績優秀奨学生制度」

4年間で総額565万7000円。一般選抜の成績が50位以内で、自動的に学費免除の対象に

試験の形式 一般選抜のうち、大学個別の試験「デリバリー選抜」(全国21の会場で試験を実施)と「大学入学共通テスト利用選抜Ⅰ期」を利用。
試験の結果、総得点80%以上を得点した成績上位者50名なら、自動的に「成績優秀奨学生」となる。
奨学金の内容 現金給付ではなく、入学金、授業料、施設設備費など学費の全額を免除。
金額は学部によって異なるが、2021年度の場合、4年間の免除総額は最大565万7000円
その他 事前登録などは不要。

国士舘大学「成績優秀奨学生制度」公式サイト
https://www.kokushikan.ac.jp/admission/scholarship/

「スカラシップ入試」は検討してみる価値がある

詳細な内容は大学によって異なりますが、ここまで見てきたように「スカラシップ入試」はすべての学生にとって非常に魅力的な制度です。制度の詳細を知らないと、「ハードルが高いのではないか」と尻込みする人もいるかもしれませんが、すでに述べたように、必ずしも難易度が高いわけではなく、一般選抜と兼用の大学もあります。

大学を選ぶ際のポイントの一つとしてチェックしてみましょう。そして、志望する大学に該当する制度がある場合は、ぜひ活用を検討してみるとよいでしょう。

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