充実したキャンパスライフを送るためには、自分が目指す学部・学科に関連する施設・設備について知っておくことも大切です。今回は、工学院大学八王子キャンパスの4号館(愛称:あどらぼ)にある化学実験室と、応用化学科の研究で使用している装置を紹介します。
3フロアの化学実験室で約300人が同時に実験可能
動画で化学実験室紹介(4分)
工学院大学八王子キャンパス4号館の4階~6階には、100人規模の実験が行える化学実験室が各フロアにあります。どのフロアの実験室も、有機・無機・物理・分析・生物といった多様な化学実験に対応可能です。実験台にはアーム式局所排気装置が1人に1台ずつ設置されており、より安全に実験授業が行えるように配慮されています。実験台の近くには、実験説明用のモニターも設置。各フロアの実験室には8人用の実験台が12ユニットあり、96人の学生が同時に実験できます。
<その他の設備>:スクラバー付きの局所排気装置、100L級の純水製造装置、精密電子天秤、原子吸光装置、分光分析装置、溶媒濃縮装置、クリーンベンチ、インキュベーターなど
大学院修士課程2年生にインタビュー
研究室に配属されてから基礎実験の大切さを実感
先進工学部応用化学科では、1・2年生のときに、有機・生物・物理・分析などの基礎的な化学実験をたくさん行います。実験授業は毎週あるので、やっていくうちに、わからなかったことがわかるようになってきて、だんだん楽しくなっていきました。当時は具体的に理解できていないこともありましたが、4年生で研究室に配属されてから振り返ると、基礎として大切なものだったとわかります。1人で行う実験はほとんどなく、2~4人のグループで行う実験が多いです。複数のグループが一斉に実験できる環境が整っているので、活気があり、楽しい雰囲気で取り組むことができます。作業やディスカッションを行う中で、周りの学生と自然な流れで友達になっていきました。
実験台には1人1台使えるアーム式の排気装置があり、フロアに柱がないので教員側から学生を見渡すことができ、安全を確保しやすい作りになっています。高校であまり実験を行ってこなかった学生でも、スムーズに楽しく化学実験を行うことができ、化学への興味を深めていける実験室です。
大学院修士課程1年生にインタビュー
実験授業では他学科の学生とも交流しやすい
実験授業で使う試薬や器具の多くは、高校で使っていたものとは違います。使い方がわからないことも多いですが、学生同士で教え合ったり、先生やティーチングアシスタントの先輩にも質問しやすい雰囲気です。1日通して実験を行うので、話し合いながら作業を進める中で、友達との関係も深まりました。実験授業では、実験ごとに指導する先生が変わります。座学の授業より先生に声をかけやすいですし、通常の授業だけではわからない先生の人柄を知ることができるよい機会です。どんな実験を楽しいと感じるか、どの先生の指導が自分に合っているか知ることは、研究室を選ぶ際にも役立ちます。
私は、高校生のときから化粧品の研究・開発に興味があったので、そこにつながる実験ができる大学を受験しました。工学院大学には、将来、化粧品や食品の研究・開発に携わりたいという夢を持って入学する女子も多いです。実験授業は他学科と合同で行うので、他学科の女子と友達になるきっかけにもなりました。理系は女子が少ないというイメージから不安があるかもしれませんが、実験を通して仲良くなれるので大丈夫です。
大学院博士課程1年生にインタビュー
最新の分析装置を駆使した研究活動ができる
各研究室には様々な装置があるので、実験授業で興味を持った分野について、より深く研究することが可能です。私の場合は、原子間力顕微鏡(AMF)やX線光電子分光法(XPS)を使って研究を行っています。
原子間力顕微鏡で材料の表面を調べると、ナノメートルサイズの凹凸を見ることができます。顕微鏡の一種ですが、レンズをのぞいて観察する一般的な顕微鏡とは異なり、小さな針を使って表面をなぞるように動かし、表面の凹凸を調べる装置です。凹凸を調べることで、水を垂らしたときの濡れ広がりや汚れの付着しやすさなど、材料の特性を考察することができます。一方、X線光電子分光法は、材料表面にX線を当てて数ナノメートルレベルの元素組成を評価する装置です。X 線を照射したときに放出される光電子を検出することで、どんな原子や化学結合があるのかを分析できます。「汚れをはじく表面って面白いな」という興味が、このような装置を使う研究へとつながりました。
大学名 | 工学院大学 |
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学部・学科 | 先進工学部 応用化学科 |
URL | https://www.kogakuin-applchem.jp/ |