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これからの企業活動に欠かせない【デジタルマーケティング】とは?「DX」推進とも深い関わり!

Webサイトを見ていたら、いつの間にか自分の好きな商品の最新情報が表示されていた・・・ そんな経験をしたことがある人は多いのでは? 消費者の好みやニーズを的確に把握して、マーケティング活動に生かす。それが「デジタルマーケティング」です。インターネットの普及と共に導入が進んできた「デジタルマーケティング」について、その基本を紹介します。

「デジタル」を活用した「マーケティング」活動の総称

「デジタルマーケティング」という言葉は、「デジタル」と「マーケティング」に分解できます。そこで、まずは「マーケティング」という用語の意味を押さえておきましょう。

マーケティングとは、簡単に言うと「顧客のニーズを的確につかみ、それを満たす商品やサービスを開発・提供して、売り上げ拡大を目指すためのさまざまな企業活動」の総称です。具体的な活動内容としては、市場調査をはじめ、商品やサービスの企画・開発、販売戦略、広告宣伝戦略などがあります。

WebサイトやEメール、SNS、アプリなど、多様なデジタルツールが使われる

そうしたマーケティング活動に、デジタルツールやテクノロジーを取り入れたのが「デジタルマーケティング」です。デジタルツールとは、例えばWebサイトやEメール、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、多種多様なスマートフォンアプリなどを指します。

企業は、デジタルツールやデジタルメディアを活用して、自社の商品やサービスを最も効果的なやり方で宣伝・販売したり、また、顧客データなどを収集・分析して売り上げの向上を図るための方法を検討したりします。

多様なデータの収集が「デジタルマーケティング」の特徴

「デジタルマーケティング」では、従来のマーケティングに比べて、データを収集しやすいことが大きな特徴です。

例えば、企業がリアルな店舗でモノを販売する場合、購入者の年齢や性別、購入の頻度などを把握するのは容易ではありません(ただしコンビニでは、レジで購入者の性別や年代を入力しています)。一方、ネット通販であれば、購入者の属性や購入頻度、購入の多い時間や地域なども、対面より容易に入手することができます。

もちろん、ネット通販に限った話ではなく、他のサービスでも同様です。多様なデータを大量に収集できるからこそ、消費者の行動や反応をスピーディーかつ正確にとらえて、従来のマーケティングでは難しかったきめ細やかな戦略を取ることが可能になるのです。

Webサイト+SNS+実店舗などの連携

インターネットとデジタルツールの普及で、消費者の行動も以前とは変わってきています。何かを買う場合、まず口コミアプリやSNSで商品の評判を調べて、価格比較サイトで値段をチェック、念のためにリアルな店舗で品物を手に取ってみて、最終的にスマホアプリから商品を購入する、という人は多いのではないでしょうか。このように、一つの目的を果たすために複数のデジタルツール(+実際の店舗など)を意識せずに使い分けることは今では一般的です。

そこで企業の側も、複数のツールやメディア、さらにはリアルな店舗などを横断して、消費者にアプローチする方法を検討するようになっています。また、さまざまな方法で収集したデータも、別々に扱うのではなく連携させることで、消費者のニーズや行動を複合的にとらえようとしています。

複数のチャネル(経路)を連携させることは「オムニチャネル」と呼びますが、「オムニチャネル」の活用も「デジタルマーケティング」の特徴の一つです。

コロナ禍を経て、重要度を増す「デジタルマーケティング」

「デジタルマーケティング」は、企業のマーケティング活動の中で今後も重要度を増していくと考えられます。なぜなら、デジタルツールもデジタルメディアも、今後発展していくことはあっても後退することはあり得ないからです。

例えば、ここ1~2年では「PayPay」や「LINE Pay」に代表されるオンライン決済サービスの普及が進んでいます。こうしたサービスも、もちろん「デジタルマーケティング」に活用されています。わかりやすい例で言うと、位置情報を利用して近所で使える店舗を表示して来店を誘導し、利用額に応じたポイントの付与で使用を促しています。

オンライン会議システム、ライブ配信、コロナ禍で一気にメジャー化したデジタルツール&サービス

2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛の動きが強まりました。自宅で過ごす時間が増える中で、新たに普及が進んだデジタルツールやサービスがあり、それを「デジタルマーケティング」に活用しようという動きが早速見え始めています。

具体的には、ZoomやGoogle Meetなどのオンライン会議ツールが挙げられます。会議や授業、オンライン飲み会などに利用されるツールですが、「デジタルマーケティング」の観点では、企業のセミナーやオンラインイベントを開催して、顧客候補とのコミュニケーション手段に活用することが考えられます。また、画面を通じて直接、商品やサービスを販売する手段にも使うことができます。

他にも、音楽ライブや演劇の有料配信や、ネット注文による食事のデリバリーなども、コロナ禍で急激に普及が進み、今後「デジタルマーケティング」に活用されると考えられます。

「デジタルマーケティング」は国の「DX」推進とも深い関わりがある

今後、「デジタルマーケティング」が重要度を増していくと考えられる、もう一つの理由があります。それは、経済産業省が推進している「DX(デジタルトランスフォーメーション)」との関係です。

「DX」とは、一言で説明すると「デジタル技術を取り入れることで顧客や社会のニーズに迅速に対応できる、競争力のある企業を目指す」という取り組みや考え方のことです。やや抽象的ですが、これからの企業には欠かせないものとして、経済産業省も「DX」に力を入れているのです。

この「DX」と「デジタルマーケティング」は、デジタル技術の活用や顧客や社会のニーズに迅速に対応するといった点で、非常に似た部分があります。つまり、「デジタルマーケティング」を活用することは、「DX」の推進にもつながるということなのです。

「デジタルマーケティング」を学べる大学の学部・学科

マーケティングは、主に商学部や経営学部、経済学部などで学ぶことができます。数は多くありませんが、青山学院大学専修大学、東洋大学、名古屋商科大学など、「マーケティング学科」を設置している大学もあります。また、明治大学は「学科」よりも緩やかな「コース制」を導入していて、商学部には「マーケティングコース」が用意されています。

「デジタルマーケティング」については、こうした学部や学科で学ぶことになりますが、現状では「デジタルマーケティング」という科目を設置している大学はそれほど多くありません。ただし、科目名にはなっていなくても、マーケティング関連のさまざまな科目で、デジタルマーケティングに関わる内容も学べる可能性があります。

また、ここまで見てきたように、「デジタルマーケティング」は今後も重要視される分野であり、将来的には科目として設置する大学が今より増えることも大いに考えられるでしょう。