大学受験の基礎知識

見えてきた【2022年度 大学入試スケジュール】。早めのチェック&準備で合格へのスタートを切ろう!

「大学入学共通テスト(共通テスト)」の日程が発表され、2022年度の大学入試の情報が少しずつ明らかになってきています。一部の大学では、すでに総合型選抜のエントリー受付も開始しました。本格的な入試シーズンは秋以降ですが、情報収集は早めに始めておくことがとても大切です。まずは、全体的なスケジュールのイメージをつかんでおきましょう。

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2022年度大学入試の全体的なスケジュール

2022年度の大学入学者選抜は、どのようなスケジュールで行われるのでしょうか。詳細は個々の大学・学部で異なりますが、全体的な流れは、文部科学省が6月4日に発表した「令和4年度大学入学者選抜実施要項について」に沿ったものとなります。

大学入試は一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜の3種類

スケジュールを見る前に、大学入試の3種類の選抜方法を確認しておきましょう。

一般選抜 大学ごとの学力試験や面接、小論文などで合否を決める入試方法。国公立大学では、「大学入学共通テスト(共通テスト)」の受験も必須。私立大学でも、「共通テスト」の利用が増えている。
学校推薦型選抜 在籍している高校の校長推薦に基づき、高校での学習成績や活動内容に加えて、小論文や口頭試問、「共通テスト」の結果などで評価する入試方法。
総合型選抜(旧AO入試) 詳細書類審査と面接などを組み合わせて、志願者の能力・適性や学習意欲などを総合的に評価する入試方法。

2022年度の入試は総合型選抜から始まり、3月末までに終了する

最初にスタートするのは総合型選抜で、出願は早いところでは2021年9月1日からとなります。また11月になると、学校推薦型選抜の入学願書受付も始まります。

年が明けて2022年には、1月15日・16日に「大学入学共通テスト(共通テスト)」が行われます。その後、2月1月~3月25日までの間に、国立・公立・私立の各大学で個別の入学試験が実施されます。なお、小論文やプレゼンテーション、実技などの試験については、2月1日より前に実施できるとしています。

合格者の決定発表は、前述の文部科学省の通知では「3月31日まで」とされているので、どんなに遅い大学でも3月末には合格者が発表されて2022年度の大学受験シーズンは終了します。

※参考)令和4年度大学入学者選抜実施要項について(通知) 文部科学省
https://www.mext.go.jp/content/20210604-mxt_daigakuc02-000005144_1_1.pdf

国公立大学でも増加中の【総合型選抜】とは? 私立大学ではすでに入学者の10人に一人以上が利用!学力だけでなく、志願者の能力や適性、学習意欲や目的意識、さらに大学が求める学生像に合致しているかなどを総合的に見極めるのが「総合型選抜」...

私大の利用も増えている「共通テスト」は1月15・16日実施

さまざまな入試日程の中で、もっとも多くの人に関わりがあるのが「大学入学共通テスト(共通テスト)」でしょう。共通テストは、大学入試センター試験の後継として2021年度から導入されました。

国公立大学では原則受験が必須で、私立でも「共通テスト」の利用を導入する大学が年々増えています。2021年度は、533の私立大学(専門職大学、短期大学を除く)が何らかの形で「共通テスト」を利用しました。

「共通テスト」の実施スケジュール

「共通テスト」の出願期間は、2021年9月27日から10月7日まで。本試験の受験日は、すでに述べたように2022年1月15日と16日の2日間です。2日間のテストの時間割も公表済みです(時間割は2021年度から変更はありません)。

また、病気やケガなどやむを得ない事情で1月15日・16日に受験できなかった人のために、1月29日・30日に追試験も行われます。

出願、試験名 実施日程
大学入学共通テスト出願 9月27日~10月7日
共通テスト 2022年1月15日、16日
共通テスト(追試) 2022年1月29日、30日

ちなみに、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、本試験が2回実施されましたが、2022年度の本試験は1回のみ実施の予定です(2021年7月5日時点)。

※参考)令和4年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項 大学入試センター
https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00040430.pdf&n=R4%E5%85%B1%E9%80%9A%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E5%AE%9F%E6%96%BD%E8%A6%81%E9%A0%85.pdf

国公立大学の入学者選抜スケジュール

国公立大学の入学試験は、第1次試験の「共通テスト」と第2次試験となる各大学の個別試験から成り立っています。

個別試験は前期日程と後期日程の二つがあり、それぞれ募集人員が定められています。また、一部の公立大学ではさらに中期日程も設けています。2022年度については、前期日程は2月25日から、中期日程は3月8日から、そして後期日程は3月12日から試験を実施します。

試験名 実施日程
国公立大の前期日程試験 2022年2月25日~
公立大の中期日程試験(一部の公立大) 2022年3月8日~
国公立大の後期日程試験 2022年3月12日~

共通テストの結果を利用した二段階選抜が行われる場合は、前期日程は2月9日までに、後期日程については2月28日までに結果が通知されます。

国公立大学の学校推薦型選抜、総合型選抜の実施スケジュール

国公立大学でも、学校推薦型選抜や総合型選抜の導入が年々広がっています。

学校推薦型選抜の場合、各大学への出願は11月以降で、締め切りは各大学によって異なります。「共通テスト」の受験がない場合は、1月21日までに合格者の発表が行われ、「共通テスト」を課す場合は2月9日までに合格発表が行われます。

総合型選抜にも、共通テストを課すケースと課さないケースがあります。出願は9月以降で、各大学の定めにより合格発表は11月以降となっています。

※参考)国立大学の2022年度入学者選抜についての実施要領 国立大学協会
https://www.janu.jp/wp/wp-content/uploads/2021/04/2022.pdf

複数の方式がある私立大学の一般選抜スケジュール

続いて、私立大学の一般選抜のスケジュールを見ていきましょう。

私立大の一般選抜には、共通テストの成績を利用する「共通テスト利用方式」と、各大学で試験を実施する「一般方式」の主に二つのパターンがあります。前者は、共通テストを受験後に大学ごとの試験を受験します。なお、共通テストの成績のみで合否が決まる入試制度を設けている大学・学部もあります。

一般選抜のピークは、「共通テスト利用方式」と「一般方式」のいずれの場合も2月の初旬から半ば頃にかけてです。ただし、大学・学部によっては、2月下旬あるいは3月以降に再度入学試験を実施しています。2月の「一般選抜」が思うようにいかなかった学生にとっては、再チャレンジのチャンスとなります。この3月の入試を「後期」、また通常の2月の入試を「前期」と呼ぶことがあります(名称は各大学で異なります)。

試験名 実施日程
一般選抜
(「共通テスト利用方式」「一般方式」共に)
・前期日程:2月初旬~中旬頃まで
・後期日程:2月下旬~3月上旬まで

私立大学の学校推薦型選抜、総合型選抜の実施スケジュール

多くの私立大学で力を入れている、学校推薦型選抜や総合型選抜。詳細は大学ごとに異なりますが、冒頭でも述べたとおり、文部科学省の通知によると出願は学校推薦型選抜が11月から、「総合型選抜」については9月からとなっていて、スタートが早い点に大きな特徴があります。合格発表の時期は、「学校推薦型選抜」が12月1日以降、「総合型選抜」は9月1日以降となっているため、早ければ年内に合格が決まる可能性もあります。

学校推薦型選抜では校内選考の有無についても頭に入れておく

私立大学の学校推薦型選抜については、高校によっては9月以降に校内選考を実施する場合があります。また、共通テストの受験を課している大学・学部もあり、その場合は、当然ながら共通テスト後の合格発表となります。

試験名 出願日程/合格発表
学校推薦型選抜 2021年11月1日~/2021年12月1日~(基本は一般選抜試験の10日前まで)

総合型選抜では出願の前に「エントリー」がある大学も

総合型選抜の出願は9月以降ですが、大学によっては出願前に「エントリー」という段階を設けている場合もあり、エントリーは早い大学では6~7月から受け付けています。エントリーは、言い換えれば「総合型選抜を受けるための手続き」であり、エントリーした生徒に出願資格が与えられます。

なお、エントリーが単に「出願」を意味する大学もあるなど、エントリーについては大学ごとに解釈・利用法が異なります。各大学の情報をよく参照するようにしてください。

試験名 出願日程/合格発表
総合型選抜 2021年9月1日~(エントリー 6~7月以降)/2021年11月1日~

新型コロナウイルス感染症への対応など、最新情報に常に注目

2021年度の大学入学者選抜では、新型コロナウイルスの感染拡大による学習の遅れや地域者差に配慮して、出題範囲を変更したり個別試験を中止したりする大学が複数ありました。

今後の新型コロナウイルスの感染状況によっては、2022年度の入学者選抜でも同様の配慮を発表する大学が出てくる可能性があります。

また文部科学省は、新型コロナウイルス感染症にり患して試験日に欠席した生徒の受験機会確保を、大学に対して求めています。具体的には、①追試験の設定②追加の受験料なしでの別日程への受験振替のどちらかの方法を用意しておく必要があるとしています。

例えば、早稲田大学ではり患者への「特例措置」として、共通テストのみの成績で合否判定する方法などを発表しています。

※参考)早稲田大学 2022年度入試における新型コロナウイルス感染症対応について
https://www.waseda.jp/inst/admission/news/2021/06/18/10260/

2022年度の各大学の入学者選抜については、コロナ対応を含めて現時点(2021年7月)ではまだ発表されていない事柄もあります。全体的なスケジュールのイメージをつかんだ後は、志望大学を中心に大学入試の最新情報をこまめにチェックしておきましょう。