大学受験の基礎知識

まずは情報収集!【2023年度 大学入試スケジュール】の概要を把握して、合格に向けて進んでいこう!

2023年度(令和5年度)の大学受験を予定している人にとって、まず頭に入れておかなくてはいけないのが入試スケジュールの把握です。個々の大学の入試日が明らかになるのは夏~秋以降ですが、「大学入学共通テスト」はすでに2023年の実施日が確定しています。また、国公立大学も全体としてのスケジュールは発表済みです。入試スケジュールのイメージを早めにつかんでおくことで、計画的に準備を進めることができます。

2023年度大学入試の大まかなスケジュール

大学入学者選抜(大学入試)のスケジュールは、文部科学省が例年6月上旬に発表する「大学入学者選抜実施要綱」に沿ったものになります。ただ、入試制度の大きな改革などがなければ、大まかには前年度のスケジュールが踏襲されます。2023年度の「大学入学者選抜実施要綱」が発表されるまでの間は、2022年度の情報を参考にするとよいでしょう。

なお、文部科学省が発表するのは大まかなスケジュールのみです。例えば「個別学力検査は令和4年2月1日から3月25日までの間」(2022年度の実施要綱より)といった内容になります。個別の大学の入試スケジュールは、それぞれの大学の公式サイトなどでの発表を待つ必要があります(確定するのは主に6月~11月にかけて)。

確定している入試スケジュール(2022年4月時点)

現時点(2022年4月)では、以下については2023年度のスケジュールがすでに確定しています。

  • 2023年度「大学入学共通テスト」の実施日
  • 国立大学・公立大学の大まかな入試スケジュール

詳細なスケジュールは後ほどで説明します。国公立大学を目指している人や国公私立を問わず「共通テスト」を受ける可能性があるという人は、確定したスケジュールに関しては、確実に把握しておきましょう。

前年のデータを参考にした、大学入試の大まかな流れ

前年までの情報を参考にした、大学入試の大まかな流れは次の通りです(日程は、一部を除き確定したものではないので注意してください)。

大学入試の大まかな流れ

実施日 実施内容
9月1日~ 「総合型選抜(後述)」の入学願書受付が始まり、その後「総合型選抜」の試験がスタート
11月1日~ 「学校推薦型選抜(後述)」の入学願書受付が始まり、その後試験がスタート
2023年1月14日・15日<日程確定> 「大学入学共通テスト」を実施
2023年2月~3月下旬 各大学で個別入試(一般選抜)を実施。(国立大学の第2次試験は、2月25日~前期日程、3月12日~後期日程<日程確定>
2023年3月末日 すべての大学で合格発表を完了

大学入試の三つのタイプ

大学入試で中心となるのは、大学ごとに学力試験や面接、小論文などを行い、合否を決める「一般選抜」です。また、その他に「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」があります。

大学入試のタイプ

一般選抜 大学ごとの学力試験や面接、小論文などによって合否を決定する選抜方法。国公立大学では「大学入学共通テスト」の受験も必須。
総合型選抜 旧AO入試。詳細な書類審査と面接などを組み合わせて、入学志願者の能力や適性や学習意などを総合的に評価・判定する選抜方法。
学校推薦型選抜 在籍している高校の校長からの推薦が必須となる選抜方法。高校での成績や活動内容が評価されるほか、大学よって小論文や面接、プレゼンテーション、学力検査などが実施される。

「共通テスト」は2023年1月14日、15日の実施が確定

「大学入学共通テスト(共通テスト)」は、高校での基礎的な学習達成の程度を判定し、大学教育を受けるために必要な能力を備えているかを把握するためのものです。国公立大学では原則受験が必須で、私立でも多くの大学がさまざまな形で受験に取り入れています。

2022年度の入試では、82の国立大学、93の公立大学、533の私立大学の合計708大学(専門職大学・短期大学は除く)が共通テストを利用しました。

「共通テスト」の実施スケジュール

「共通テスト」は、2023年1月14日(土)、15日(日)の2日間にわたり実施されます。また、病気やケガなどやむを得ない事情で1月14日、15日の本試験を受験できなかった場合は、本試験の1週間程度後に例年通り追試験も行われる予定です。

ちなみに、「共通テスト」の実施日は「1月13日以降の最初の土曜日及び翌日の日曜日」と決まっています。このルールが変わらないという前提のもと、2024年度以降も共通テストの日程を簡単に把握することが可能です。

※参考)「令和5年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱」要項について(通知) 文部科学省
https://www.mext.go.jp/content/20210617-mxt_daigakuc02-000010813_3.pdf

国公立大学の入試スケジュール(一般選抜)

国公立大学の入学試験(一般選抜)は、2段階で行われます。第1次試験の「共通テスト」で基礎学力を見た上で、第2次試験として各大学で個別試験を行います。

個別試験(第2次試験)は、「前期日程」と「後期日程」に分かれていて、それぞれ募集人員が定められています。受験生は「前期」と「後期」で同じ大学を受験しても、受験する大学を変えても構いません。また、一部の公立大学では「中期日程」も設けています。

国公立大学の第2次試験スケジュール

試験名 実施日程 合格発表
前期日程 2023年2月25日(土)~ 3月6日~(公立大は3月1日(水)~)
中期日程(一部の公立大のみ) 2023年3月8日(水)~ 3月20日(月)~
後期日程 2023年3月12日(日)~ 3月20日(月)~

※参考)「国立大学の2023年度入学者選抜についての実施要領」 国立大学協会
https://www.janu.jp/wp/wp-content/uploads/2021/06/2023.pdf

・「公立大学の2023年度入学者選抜についての実施要領」 公立大学協会
https://www.kodaikyo.org/wordpress/wp-content/uploads/2022/01/2023_nyushiyouryou.pdf

私立大学の入試スケジュール(一般選抜)

私立大学の入学試験(一般選抜)は、「共通テスト」を利用するかどうかでスタート時期が異なります。共通テストを利用する場合は、テスト実施日である1月14日から入試がスタートし、共通テストの受験が不要な場合は2月1日からのスタートになります。

私立大学の一般選抜のピークは、2月の初旬から半ば過ぎにかけてです。ただし、大学・学部によっては2月下旬ないしは3月になってから2次募集を行い、再度入学者選抜を実施します。

私立大学の場合、同じ大学の同じ学部・学科でもさまざまな入試パターンを用意しているケースも多く、入試スケジュールは慎重に確認する必要があります。

現時点(2022年4月)では2023年度の入試日は公表されていないため、繰り返しになりますが前年の情報を参考にしてください。2023年度の募集要項は、大学によって異なりますが、6月頃から遅くとも12月半ばには発表されます。その時点で、2023年度の入試日程も確定します。

「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の大まかな入試スケジュール

「総合型選抜」「学校推薦型選抜」は、国公私立大学共に「一般選抜」より早く始まり、結果も早く出るのが特徴です。個々の大学の2023年度の入試日程はまだ発表されていませんが、国公立大学の場合は「総合型選抜」「学校推薦型選抜」のいずれも、大まかなスケジュールは確定しています。

「総合型選抜」のスケジュール

国公立大学では、9月1日(金)以降に出願が開始し、試験を経て11月1日(水)以降に合格発表となります。「共通テスト」の受験を課している大学もあり、その場合は「共通テスト」の後で合否が判明します。合格発表の期限は2023年2月8日(水)です。

私立大学の場合も、2022年と変更がなければ、出願は9月1日(金)以降、合格発表は11月1日(水)以降となります。ただし、大学によっては出願前に「エントリー」という段階を設けていることがあります。エントリーは6~7月など、正式な出願よりかなり早くから受け付ける場合もあるので、「総合型選抜を検討したい」という人は目指す大学の公式サイトで必ず詳細を確認しましょう。

国公立大学でも増加中の【総合型選抜】とは? 私立大学ではすでに入学者の10人に一人以上が利用!学力だけでなく、志願者の能力や適性、学習意欲や目的意識、さらに大学が求める学生像に合致しているかなどを総合的に見極めるのが「総合型選抜」...

「学校推薦型選抜」のスケジュール

国公立大学の「学校推薦型選抜」では、11月1日(火)以降に出願⇒試験を行い、12月1日(木)以降に合格発表となります。「共通テスト」の受験を課している大学の場合は、「共通テスト」の後で合否が判明します。合格発表の期限は「総合型選抜」と同様で、2023年2月8日(水)です。

私立大学も、2022年度と変わらない前提の場合、出願は11月1日(火)以降、合格発表は12月1日(木)以降となります。ただし、大学が定めた高校の生徒のみが出願できる「指定校推薦」の場合、募集枠が少ないことが多く、高校によっては11月の出願までの間に、まず校内選考が行われることもあります。

2023年度も常に最新情報に気を配り、確定した情報は確実に把握

2022年度の大学入学者選抜では、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染急拡大により、濃厚接触者の対応など試験実施のガイドラインが直前になって急遽(きゅうきょ)見直されるということが起きました。

ただ、感染症の拡大など予見できないことについては、今から心配しても意味がありません。受験生にとって大切なのは、常に最新情報に気を配っておくという姿勢です。

2023年度の全体的なスケジュールのイメージをつかんだ後は、受験する可能性のある大学を中心に最新情報をこまめにチェックし、入試日程など確定情報が出たら、確実に把握しておきましょう。