大学内を見学するオープンキャンパスやキャンパスツアー向けの動画が増えています。中にはVR360°動画も公開されていて、VRゴーグルを使うと、周囲を見渡すことができ臨場感溢(あふ)れる見学ができます。今回は、手軽に手に入れることのできるスマホ装着型のVRゴーグルを試してみましたので紹介します。
VR動画はスマホのみでも視聴は可能。VRゴーグルでよりリアルに!
大学のキャンパスツアーなどで公開されているVR360°動画はVRゴーグルがなくても、スマホを傾けたり、パソコンでは画像をドラッグすることで周囲を見渡すことができます。VRゴーグルだと、これがリアルな視線移動で見渡すことができるようになります。
<法政大学市ケ谷キャンパス360°VRムービー>
お手軽「VRゴーグル」でも十分体験できる?
実際、VRゴーグルと聞くと高価な機材が必要に感じてしまう方もいるのではないでしょうか?
本格的なVRゴーグルとしては、スマホの要らないオールインワンのスタンドアロンモデルや、パソコンやゲーム機に接続して使うモデルもあります。Metaの「Meta Quest 2(旧Oculus Quest 2)」、ゲーム機に接続するソニーの「PlayStation VR」などが有名です。
Meta Quest 2
でも、「スマホ用VRゴーグル」であれば、すでにお持ちのスマートフォンを使って安価にVR360°動画を体験することができます。
このスマホを挟み込んで使うタイプの専用VRゴーグルは、500円~5,000円クラスのさまざまなものが販売されています。多くのモデルは2000円ちょっとの価格です。
値段を聞くと「こんなモノでまともなVRが体験できるのか?」と、怪しむかも知れませんが、大学で公開されているキャンパスツアーのVR動画であれば十分に体験することができます。
「スマホ用VRゴーグル」どこで入手できる?
スマホを挟んで装着するタイプのVRゴーグルは価格差がありますが、しくみはどれも同じです。スマホの画面をレンズで拡大表示させ、目前で大画面のように立体視して見せています。
Amazonなら、2000円ほどで入手できる
Amazonや楽天ショップなら、国内IT周辺機器メーカーのエレコムやサンワサプライのモデルが2000円程度から入手可能です。Amazonで探すと、ほかに中国メーカーの製品もありますが、国内サポートの受けられる国内メーカーのモデルがサポート体制を考えると安心でしょう。不良品の交換は、Amazon.co.jpでも対応してもらえますので、面倒を厭(いと)わなければ中国メーカーの方が安いので、チャレンジしてみても良いと思います。
100均ショップのVRゴーグルもある?!
特に安価に入手できるのは、100均ショップのダイソーで550円で販売されている「バーチャルリアリティゴーグル」や、セリアの「VRゴーグル(ダンボールタイプ) 110円(税込)」などがあります。人気商品のようで、タイミングによっては店舗に在庫がない場合があります。
ダイソー「バーチャルリアリティゴーグル」
https://jp.daisonet.com/products/4550480079424
大学で配布している場合もある
大学によっては、オープンキャンパスの開催時期に期間限定で簡易タイプのVRゴーグルを配布している場合があります。気になる大学のオープンキャンパスイベントサイトを探してみましょう。
「スマホ用VRゴーグル」を試してみた。
今回は、Amazonで購入したサンワサプライ「MED-VRG6」(Amazon.co.jp 購入価格4255円)という少しだけ高価なモデルを、実際に試してみました。
このモデルには、Bluetooth接続のヘッドホンがついているので動画の再生音を聞くことができます。また、Bluetoothで再生/停止や次の動画へジャンプなどの操作もできます。
ヘッドホン機能が不要であれば、2000円台で購入可能です。AirPodsなどBluetoothのワイアレスヘッドホンを持っているなら同じ機能ですので、それで音を聞いても良いでしょう。有線のイヤホンを使う場合は、スマホからコードを引きだす必要があり、ちょっと不格好になります。
大学のVR動画を鑑賞してみる
それでは、実際に使ってみましょう。
まずは、気になる大学の公式サイトでVR動画を探しましょう。大学の受験生サイト、入試情報サイト内にある「オープンキャンパス」のページに設置されていることが多く、「バーチャルキャンパスツアー」、や「キャンパスツアー360°動画」といった名称のコンテンツがVR動画です。
YouTubeで探す場合は、「360度動画 大学」「VR動画 大学名」といったキーワードで検索すると見つけやすいです。
スマホにはYouTubeアプリを入れログインしておいてください。VRゴーグルに装着する前に、いったん動画を再生してみて、すぐに一時停止してみましょう。ここで動画の右下に「VRアイコン」があればVRゴーグルに対応した動画です。
「VRアイコン」をタップしてVRモードにすると、スマホの画面が左右2眼の画像に切り替わります。
この状態にして、スマホをVRゴーグルに挟みます。スマホケースを使っている場合は外しておきます。中央をピッタリ合わせるのがコツ。
ゴーグルを装着します。レンズは、両目の間隔と左右別々に焦点を合わせるダイヤルが付いているのでキレイに見えるポイントに調整できます。
ゴーグル下のボタンを押すと、画面のような爪が飛び出てゴーグルをつけた状態でスマホ画面をタップすることができるしくみになっています。
装着時に、この機能を使って、スマホ画面の再生コントロールボタンをタップして動画を再生します。この機能があると再生/停止/早送りなどの操作のたびに、ゴーグルを取り外さなくて済むので、こういったしくみがあるVRゴーグルを選ぶと便利です。
VRゴーグルで動画を再生してみると、キャンパス内を歩きながら、頭を動かすことで周囲360度を見渡せることがわかります。いろいろな角度で繰り返して鑑賞してみると、隅々まで確認することができ、臨場感タップリです。
メガネの時は大丈夫?
このVRゴーグルはメガネを装着したままでも、付けることができました。
画質はどの程度?
気になる画質ですが、スマホの画面を間近に見ているので、画質はスマホ画面の質によって変わります。今回使用したのはiPhone12 miniでしたが、見劣りすることはありませんでした。そもそもYouTubeにアップされている360度動画の画質はそれほど高画質ではないので、VRゴーグルには十分なレベルの画質です。
臨場感のあるキャンパスツアーのVR360°動画を、3000円ほどで手軽に体験できるのがスマホ装着タイプのVRゴーグルのメリットです。手持ちのスマホで、VRによるバーチャルキャンパス体験を大学選びに活用してみてください。