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Bitcoinだけじゃない。【ブロックチェーン】はデジタル社会を支える重要な技術!

仮想通貨という言葉をニュースなどで聞いたことがあるのではないでしょうか。現金とは異なる、新しいしくみのお金のことです。この仮想通貨を支えている技術が『ブロックチェーン』です。この技術が使われるのは仮想通貨だけではありません。さまざまなデジタルデータの信頼性や透明性の確保にもブロックチェーンは活用されています。今回は、ブロックチェーンの技術やしくみについて解説します。

「ブロックチェーン」とは何か、注目される背景

「ブロックチェーン」という技術について耳にしたことがありますか? もし耳にしたことがなくても、最近はキャッシュレス決済などにも対応する「仮想通貨」あるいは「暗号資産」といえば、どこかで聞いたことがあると思います。

「ブロックチェーン」は、「仮想通貨」をはじめとする金融分野はもちろん、今後迎えるデジタル社会を支える重要な技術として注目されています。

<Japan Blockchain Association>

「Society 5.0」を支える技術

日本でも、政府主導のもと、デジタル化が強力に推し進められています。例えば「Society 5.0」として、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を融合させたシステムにより、社会の課題を解決したり、経済発展を目指しています。

一方、デジタルには弱点もあります。例えば、従来の紙の情報と比較すると、デジタルデータは、同じものをコピーする「複製」や、内容を書き換える「改ざん」が容易であるという弱点を抱えています。

その問題を解決しない限り、安心してSociety 5.0の推進ができません。そこでデジタルデータの信頼性を確保するために注目されているのが「ブロックチェーン」です。

仮想通貨「Bitcoin」を支えたブロックチェーン

「ブロックチェーン」の名を知らしめたのは、冒頭で触れた「仮想通貨」のひとつである「Bitcoin(ビットコイン)」です。

従来、通貨といえば「円」や「ドル」など、各国政府が発行し、その価値を保証する「法定通貨」があたりまえでした。例えば1万円札は、物体としてはただの紙切れにすぎません。それを日本政府が保証しているから、1万円札が1万円の価値を持っているわけです。

ブロックチェーンがBitcoinの価値を保証するわけ

しかし「法定通貨」ではない「Bitcoin」は、特定の政府や組織が発行し、価値を保証しているわけではありません。つまり、Bitcoinは、政府による裏付けがない、従来のお金とはまったく異なる新しいお金なのです。

そのBitcoinの価値を保証するために使われたのが、「ブロックチェーン」でした。

Bitcoinでは、一つひとつの取引を「ブロックチェーン」として記録します。ブロックチェーンは、いわばデジタル上の「取引台帳」で、偽造ができないしくみを構築したものです。このブロックチェーンの技術の支えによって「Bitcoin」では偽造を防ぎ、取引の透明性を実現した結果、資産的な価値が一般的に認められるまでになりました。

「ブロックチェーン」のしくみや特徴

では「ブロックチェーン」では、どのように偽造を防ぎ、透明性を確保しているのでしょうか。しくみや特徴を見てみましょう。

「ブロックチェーン」の基本的なしくみ

ブロックチェーンはさまざまな技術によって成り立っています。その定義も専門家によって異なるため、ひとことで表現することは難しい技術ですが、あえてシンプルに表現すれば、「取引データの塊(ブロック)」であるデータを「鎖(チェーン)」のように記録していくデータベースの一種です。

そして新しく取引されるたびに、データベースに新しい記録を付け加えていきます。過去の取引の部分には一切加工せず、新しく付け加えるだけです。

そして、このデータベースを、ネットワーク上に分散した多数のコンピューター端末で管理します。複数のコンピューター端末で分散して台帳管理を行うことから、ブロックチェーンは「分散台帳技術」とも呼ばれます。

詳しい定義に興味があれば、日本ブロックチェーン協会の定義なども参考にしても良いでしょう。

日本ブロックチェーン協会:ブロックチェーンの定義
https://jba-web.jp/news/642

一番の特徴は、データの改ざんができないこと

ブロックチェーンの大きな特徴としては、データの改ざんができないことにあります。

ブロックチェーンでは、記録が多くのコンピューター端末に分散して残されていますので、万が一、誰かがどこかの端末でデータを書き換えようとしたとしても、別の端末に残されていた記録と照合されて、不正がばれてしまいます。

そのためBitcoinでも、同じデータをコピーしたり、書き換えたりするような「偽札」を作ることができないわけです。

トラブルにも強いから、安定して使える

お金を払いたいときにシステムが止まって支払いができなくなったら困りますので、システムの安定性も重要です。

例えば、ブロックチェーンで分散して管理している端末の一部が停止したり、ネットワークが途絶えるだけで、支障が発生するなら、安心して利用することはできません。そこで、一部の端末でトラブルが発生しても、システム全体が停止してしまうことがないようなしくみが構築されています。

「Bitcoin」に資産的な価値が見いだされているのも、こうした「ブロックチェーン」によって得られる信頼性、安定性の高さがあってこそ、といえるでしょう。

「Society 5.0」には不可欠なブロックチェーン

「ブロックチェーン」というと前述のBitcoinのような「仮想通貨」を思い浮かべる人も多いと思いますが、あくまでそれは代表的な活用例であり、実はこの技術自体はあらゆる分野に応用できる技術です。

ブロックチェーンによって、データの改ざんが行われていないことなど、透明性を確保できるため、次のような幅広い分野での応用が期待されています。

契約管理はもちろん、広い分野で取引を記録

現代社会は、当事者間における権利や義務を定めた「契約」で成り立っています。契約には従来、主に印鑑を押した紙の契約書が使われていました。しかし、デジタルデータで契約書を扱うとなると、改ざんが心配です。そういう用途にも、改ざんされていないことを証明できるブロックチェーンは、非常に相性が良い技術といえるでしょう。

また著作権など知的財産、IoT機器、シェアリングエコノミーなどのサービス利用権の管理、学校における履修履歴や学位の管理など、さまざまな活用が検討されています。

また単なる取引の記録にとどまらず、契約条件の締結や履行がプログラムによって実行される「スマートコントラクト」など、さらなる応用への期待も高まっています。

デジタルデータを活用するSociety 5.0には、データ改ざん、不正利用を防止するしくみは欠かせません。それにはブロックチェーンが不可欠といっても過言ではないでしょう。

ブロックチェーンを学べる大学、学部

ブロックチェーンは登場してまもない技術です。より効率的なデータ処理など、ブロックチェーンそのものの可能性を探る研究が引き続き行われていくことが予想されます。

ブロックチェーンは、暗号技術やデータベース、分散型ネットワークなど、非常に多くのICT技術が積み重なって構築されたものです。大学では「コンピューターサイエンス」分野の学部などで学ぶことができるでしょう。

この記事では詳細な説明は省きましたが、ブロックチェーンにも、プライベート型やコンソーシアム型など、複数のしくみがあり、それぞれにメリットやデメリットが異なります。ブロックチェーンの技術や種類を学ぶことで、さまざまな用途に適した活用も考えられるようになるはずです。

ブロックチェーンの技術ではなく、さまざまな分野での応用を研究するには、理系の学部に限りません。契約書、デジタル作品の著作権などの分野に応用しようとするなら法学部、シェアリングエコノミーなどの新しいサービスの利用権管理に活用するなら経営関連の学部でも学べるでしょう。

このようにブロックチェーンは、デジタルデータを活用する領域であれば、アイデア次第でさまざまな分野への応用が可能な技術です。いかに社会生活で利用するかを踏まえて、あらゆる学問領域において活用の検討が進められていくことになります。

『ブロックチェーン』の応用が期待される分野

公共、金融、サービス、IoT、エンターテインメント

ブロックチェーンカンファレンス「btokyo ONLINE 2021」
https://navenue.jp/btokyo2021/