共立女子大学のゼミ

歴史をダイナミックに捉えることで未来への視座を拓く!【国際学部 西山暁義ゼミ|共立女子大学】

西山教授の研究は、ドイツとフランスの国境地、アルザス・ロレーヌ地方からスタートした。「両国は現在ではEUを支える両輪といわれる一方、かつては繰り返し戦争を行ってきました。そうしたなかで、両国の狭間の地域の人びとはどのように生きたのだろうか。国家単位では捉えきれない歴史に関心を持ちました」。近年は、歴史博物館(主にドイツとフランス)の研究に力を注ぐ。史実をただ羅列するのではなく、どのように展示すれば、今の人たちにメッセージが伝わるのか。歴史博物館研究を通し、現代社会は歴史に何を求めているのか」を探究している。

ドイツ近現代史を学ぶ意義について尋ねると「日本とドイツは、75年前に敗戦国として出発し、高度経済成長を遂げたという共通点がある一方、戦争の処理や国外への派兵、難民の受け入れや環境問題との取り組みなど相違点も少なくありません。良い悪いではなく、ドイツと比較をすることで日本の特徴が浮き彫りになり、私たちの今後のあり方も見えてくるのではないでしょうか」と語る。

学生たちに伝えたいのは「歴史を決まりきった過去として見るのではなく、ダイナミックに捉えてほしい」ということ。「ナチスの時代にもヒトラーと対立した人がいたし、私たちが未来を見通せないように、当時の人たちもナチスが政権を取ると知っていたわけではありません。どんな問題にも複数の意見があります。ドイツやフランスの歴史の教科書には、多くの対立したり異なる意見が併記されています。歴史は、固定された過去を暗記するものではないのです。その時代に生きていた人々の様々な視点を考慮し、未来に役立てていく姿勢を学んで欲しいと願っています」

2018年3月の学部研修旅行。ベルリン・ホロコースト慰霊碑にて。
知り合いの歴史家であるミヒャエル・ヴィルト(フンボルト大学教授)とともに。

基本情報

大学名 共立女子大学
学部名 国際学部
学科名 国際学科
教員名 西山 暁義
フリガナ ニシヤマ アキヨシ
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研究情報

主催ゼミ ドイツ近現代史
研究キーワード ドイツ・フランス・アルザス・ロレーヌ・ナショナリズム・地域主義
最近の研究・論文
実績等