研究テーマ

自動車業界の大変革【CASE】。これからのクルマ作りに欠かせないトレンド!

現在、自動車業界はとても大きな変革期の最中にあります。これから数年で、日常のクルマの使われ方がまったく変わってしまう可能性もあるのです。この変化を端的に表現するのに「CASE(ケース)」というキーワードが頻繁に使われています。クルマの未来を知る上で欠かせない技術を解説します。

これからのクルマのあり方を示す「CASE」

「CASE」は「コネクテッド(Connected)」「自動運転(Autonomous)」「シェアリング(Shared and Services)」「電動化(Electric)」の頭文字をとって合わせた造語で、この四つの項目がこれからのクルマの進んでいく方向性を端的に示しています。

カーボンニュートラルな社会へ向け、二酸化炭素を発生する内燃機関からハイブリッドカーも含めた電気自動車へシフトしていく中で、ICTの発達とともに実現されていく技術が含まれています。これは自動車業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)ともいえるものです。では、ひとつずつ見ていきましょう。

<Mercedes-Benz Future Mobility: The Revolution of CASE>>

クルマがネットワークにつながる「コネクテッド」

コネクテッドは、5Gなどのモバイル回線を使ってクルマがネットに接続されることを表しています。これによりリアルタイムな情報通信が可能となります。

渋滞や事故、工事情報などはもとより、車両の状態や周囲の道路状況などもやりとりし、自動運転に反映させることができます。またトラブル時は、その情報を対応してもらうコールセンターとやりとりするということも考えられます。

「自動運転」は進化のまっただ中

自動運転は、自動車を自動で走らせる技術です。現在国内では、レベル3という、高速道路での低速走行時など条件付き運転自動化が実用化されています。詳しくは自動運転の記事を参照してください。自動運転はコネクテッドのICT技術も活用して実現されます。

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クルマは「電動化」に向け大きく進む

電動化は、クルマの動力として、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンではなく、電気モーターを使うことです。クルマの内部でガソリンなどの燃料を燃やすことがないので、二酸化炭素発生を削減するという環境保護の観点からも、電動化が求められています。

なお、自動車の電動化というと、電気モーターのみを搭載する純粋なEV(BEV)を想像しやすいのですが、これに限定しているわけではありません。

電動化にはエンジンとモーターが連動するハイブリッドカー(HEV)や、エンジンで発電しモーターのみで駆動するシリーズハイブリッドカー(SHEV)、充電も可能なハイブリッドカーのプラグインハイブリッドカー(PHEV)といった、エンジンが搭載されている方式も含まれています。また水素から発電してモーターで動く燃料電池自動車(FCV)も含まれます。

社会でクルマの利用方法が変わる

シェアリングは、自動車の使われ方が個人所有から共同所有(シェア)する方向に進むことを示しています。コネクテッドや字度運転のようなクルマに搭載する技術ではなく、「社会の中でクルマをどのように活用していくか」という、これからの社会についての示唆になります。

地域でクルマをシェアする社会

これまでもレンタカーという利用形態はありましたが、それとは少し違います。ここでいうシェアとは、地域や地区などの単位で共同所有し、ICTを駆使して移動するときだけシェアするという使い方を指しています。使い方によってはバスのような相乗り(ライドシェア)運用もあるでしょう。

シェアリングは最終的に、自動運転とコネクテッドと組み合わせて活用することになります。クルマを使いたい人は、予約をしてクルマを呼び出して、乗った後は、自動運転で目的地まで連れていってもらいます。

大きな荷物を運びたいときは荷台の大きなクルマ、大人数で旅をしたいときは席が多いクルマ、車内で仕事をしたいときはテーブルがついてるクルマというように、ニーズに合ったクルマを使い分けることも容易になります。

自動で動作しているゴンドラのような感覚で呼び出して移動するという未来も、あながちSFチックな妄想ではなくなっています。

人が乗って移動するというだけでなく、物流や移動販売なども考えられています。

スマートシティーの解説記事で触れた、トヨタ自動車が東富士に作る「ウーブン・シティ(Woven City)」という実証都市では、このシェアリングのコンセプトを具体化したモビリティ「e-palette」の実証実験も行われるはずです。

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<トヨタ自動車 “e-Palette Concept”>>

メーカーはモビリティのシステムを扱うようになる

なお、このCASEの「S(シェアリング)」は、クルマを作る部品メーカーには直接は無関係なために除いて、代わりにパーソナライズ(Personalized=個人化)の「P」を加え、「PACE」と呼ばれることもあります。これは、クルマに限定せず、さまざまな交通手段から各個人に最適な移動手段を選択するという概念になります。

近い将来、自動車業界は個人にクルマを販売するということから、移動全般のシステムをサービスとして販売するという方向にシフトしていくことを考えていく必要があることを示唆しているのです。

「CASE」関連技術を学ぶ学部や学科

CASEは自動車関連の用語になりますが、ICTなどテクノロジー関連が主な技術ですので、理系全般でなんらかの関連があります。

より専門的に目指すなら、各地にある自動車大学校という選択肢も考えられます。主に国家1級小型自動車整備士などを目指す大学になり、卒業時に国家資格と大学卒業資格の学士を同時に取得することができます。学習内容も時代に即して、CASEに合わせるようになってきています。

また、都市移動に関しては、都市工学や都市計画、都市デザインなどの学科も範囲に入ってきます。

『CASE』の活用が期待される分野

自家用車、バス、BRT、タクシー、トラック、物流、自動配送、移動販売、病院や介護の送迎、MaaS、SDGs、宇宙探査