大学生の新生活

はじめての【クレジットカード】、知っておきたいメリットや注意すべきポイントを解説

大学に進学すると生活環境が大きく変化し、高校時代とはお金との付き合い方も大きく変わります。今回は、成人年齢の引き下げによって、高校を卒業すると利用できるようになる「クレジットカード」について、メリットや注意点などを解説します。

大学生の必須アイテムとなりつつある「クレカ」

大学に入学すると、親元を離れて一人暮らしをはじめたり、比較的自由となる時間も増え、アルバイトをはじめる人もいるでしょう。身のまわりの生活が変化し、多くの人が収入や支出を主体的に管理するようになります。

生活において便利なツールが「クレジットカード」です。昨今、現金からキャッシュレスへの移行も進んでおり、利用が拡大しています。

従来クレジットカードを契約する際、20歳未満は親の同意が必要でしたが、2022年4月に成人年齢が18歳に引き下げられたことから、親の同意を得ることなくクレジットカードを持つことが可能となり、ハードルがグッと下がりました。

実際に、大学生の半数以上がクレジットカードを保有するとのデータもあります。日本クレジット協会が大学生375人を対象にした調査では、61.1%がクレジットカードを所有していると回答しており、大学生の必須アイテムとなりつつあります。

なおクレジットカード会社のほとんどは、18歳を迎えていても、高校生は対象外など条件が設けられており、契約は卒業後となります。

「クレジットカード」とは? 知っておきたい知識

そもそもクレジットカードとはどのようなサービスでしょうか。

クレジット会社が一時的に支払いを立て替えてくれ、後払いが可能となるサービスです。一定期間後、クレジット会社より請求され、指定期日に銀行口座より引き落とされます。

手元に現金がなくともスマートに買い物でき、お札や硬貨で財布が分厚くなることもありません。

インターネット経由で提供されている通信販売やサービスでは、クレジットカードが決済手段の中心となっています。なかにはクレジットカード以外の決済手段に対応していないケースもあります。

大学生になったら海外旅行に行きたいと考えている人もいるかもしれません。旅行先の支払いに関してもクレジットカードが必需品となっていると言えるでしょう。

<YouTube:どうして後払いが出来るの?(日本クレジット協会)>

クレジットカードは現金よりオトク?

クレジットカードの多くは、利用額に応じてポイントの付与やキャッシュバックなどを行っています。

クレジットカードによって還元率は異なりますが、おおむね0.5%から1%が中心で、特定のショップの利用時や学生に向けて還元率をアップしている場合もあります。上手に利用すれば、現金よりもお得に商品を購入できたり、サービスを利用できます。

なかには、クレジットカード保有者に無償で海外旅行保険を提供したり、映画を優待価格で見られるなど、持っているだけでも恩恵が得られるなど、クレジットカードごとの特色もあります。

より柔軟な支払いスタイルも選べる

クレジットカードは、「一括払い」だけでなく、「分割払い」も利用できます。分割払いは、数回にわけて支払うしくみです。一度で支払うことが難しい高額な品物を買いたい場合には助かるサービスです。

また買い物だけでなく、一時的に現金を借りられる「キャッシングサービス」なども用意されています。ただし、一括払いなど一部を除き、分割払いやキャッシングを利用する場合には、手数料がかかるため、注意が必要です。

クレジットカードを契約する上での注意点は?

敷居は下がったとはいえ、クレジットカードは一種の「借金」です。発行してもらうには、クレジットカード会社による審査をパスしなければなりません。きちんと支払いを行う人物であるか、事前にチェックされます。

またクレジットカードを無事発行してもらったあと、利用には十分注意する必要があります。

思わぬ高額請求も……使いすぎに要注意!

便利でお得なクレジットカードですが、使い方をまちがえると大変です。特に注意すべきは、支払える能力を超えた「使いすぎ」です。

現金であれば、あらかじめ想定した予算に対して、どの程度支出があったか把握することが簡単です。そもそも手元にある現金以上の買い物はできません。

しかし、クレジットカードでは、たとえ本来の予算をオーバーしていても、契約した利用限度額内であれば、そのまま購入できてしまいます。そして忘れたころに請求の時期がやってきます。

クレジットカードを利用したタイミングと、支払いのタイミングがズレているため、金銭感覚が狂ってしまうこともあります。数百円の支払いであっても気軽にクレジットカードで支払えますが、回数を重ねれば金額も徐々に大きくなります。請求書を見たら思いもよらぬ請求額となっていた、とならないよう計画的に利用しなければなりません。

支払い方法に注意

「一括払い」など一部を除き、キャッシングや分割払いでは手数料が発生します。手数料は、クレジットカード会社や回数などによって変化します。

さらに月ごとに一定額を返済する「リボルビング払い(リボ払い)」といった方法もあります。たとえば、毎月5000円ずつ返済するといったことも可能です。

毎月の負担を小さく設定でき、魅力的と感じるかもしれません。しかし、多くは1年あたり15%前後と非常に高い手数料が設定されており、トータルに見た負担は、想像以上に大きいものとなります。

仮に30万円の買い物をして、年利15%で毎月5000円ずつ返済した場合、手数料の負担はどれくらいになるでしょうか。

実は手数料が25万円以上かかり、30万円の買い物に対して支払総額は55万円を超え、倍近い金額となってしまいます。返済に9年以上かかるのです。

さらに返済期間に、別の買い物をすれば、さらに返済期間は延び、手数料もかさんでいくことになります。毎月返済しているので、安心してしまいがちですが、リボ払いは支払総額を把握しにくく、とても注意が必要なのです。

<YouTube:クレジットカードの特徴と注意点とは?(消費者庁)>

支払いを滞ると大変なことに

クレジットカードは、その名のごとく「信用(クレジット)」によって成り立っているサービスです。もし、約束どおり支払えず、延滞してしまった場合はどうなるのでしょうか。

まさに「信用」を失ってしまいます。それも契約したクレジットカード会社からの信用だけでは済みません。

クレジットカードの利用状況は、「信用情報機関」に登録され、金融機関で共有されていますので、ひとつの会社で取引に問題が生じると、いわゆる「ブラックリスト」に登録されてしまいます。

他社のクレジットカードを利用できなくなったり、携帯電話の分割購入ができなくなる、ローンを組めなくなるなど影響が広がります。

クレジットカードは、気軽に利用できる便利なサービスですが、責任が伴うことをしっかりと覚えておかなければなりません。

上手にクレジットカードと付き合うコツ

便利そうだし、持ってみたい。だけど使い方を誤ると怖いクレジットカード。大学生となってはじめてクレジットカードを保つ場合のコツを紹介します。

将来の収入を当てにしない

基本は一括払いとし、確実に支払える範囲でクレジットカードを利用するようにしましょう。「来月のアルバイトを頑張れば支払える」など、不確実な状況で利用してしまうのは、とても危険です。

アルバイトをしていても、本業は学業ですので学生のうちは収入が安定しません。病気やケガ、アルバイト先の事情で急に働けなくなるなど不測の事態に陥り、収入が途絶えてしまう可能性もあるからです。

利用状況をつねに把握。アプリなど活用

必要なものだけ、計画的に利用しましょう。クレジットカード会社の多くは、スマートフォンアプリを提供しています。利用状況など手軽に確認できるため、使わない手はありません。

一定額以上を利用すると、メールで通知してくれるサービスを提供する会社もあります。使いすぎの防止に便利です。あらかじめ利用限度額を小さく設定しておくのもひとつの手です。

クレジットカード情報を守る

クレジットカードに記載された「名義」「番号」「有効期限」「暗証番号」などを第三者に知られてしまうと、本人になりすまして悪用されてしまうおそれがあります。絶対に人には教えないようにしてください。

最近は、券面にクレジットカード番号が記載されていない「ナンバーレスカード」もあります。こうしたカードを選択するのもひとつの手でしょう。

クレジットカード会社や正規のオンラインショップなどになりすまし、偽サイトへ誘導してクレジットカード情報をだまし取る「フィッシング攻撃」なども発生しており、日ごろから注意しておく必要があります。

利用ごとにメールやアプリで通知してくれるサービスを提供しているクレジットカード会社もあります。万が一、クレジットカードを不正に利用されてしまってもすぐに被害へ気が付き、利用を停止できます。

代替手段としてプリペイドカードやデビットカードもある

支払いにクレジットカードが必要だけど、「後払い」が怖いと感じる人もいるでしょう。そのような場合は、「プリペイドカード」や「デビットカード」などがオススメです。

プリペイドカードは前払い式のカードで、あらかじめチャージした金額以上を利用することはできません。審査不要の場合も多く、クレジットカードとほぼ同様に店舗やインターネットの支払いに利用できます。

デビットカードは銀行口座と紐(ひも)付いたカードです。デビットカードで支払うと、その場で銀行口座より引き落としされるしくみで、銀行口座に入金されている金額以上を使えません。

なお、保険や公共料金の支払いなど、「プリペイドカード」や「デビットカード」が利用できないケースもありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。

クレジットカードは、使い方さえまちがえなければ、お得で便利なサービスです。ぜひ上手に利用しましょう。

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